再び・・・喫煙問題考

先日のことです。GW期間中は混雑を避け、習慣になっている自宅(神奈川県藤沢市)近くの海岸沿いのウォーキングを休止していたのですが、連休明けとともに再会させました。

・・・で、せっせと歩き、信号待ちで立ち止まり、そのとき横に肩を並べる形となった2人の若者が、横断歩道を渡りながら、手にしたタバコをポイと捨て、それが風に乗って私の前に落ちました。

その若者と視線が合ったこともあり、黙っているわけにもいかず、私はひと言、声を掛けました。

〈おい、誰が後片付けすると思っているんだよ。捨てるなら、火を消して自分で持っていて、灰皿のあるところで捨てろよ〉

ひと悶着あるかな? とも思いましたが、その若者は、かけていたサングラスを外し「ハイ」と言って頭を下げ、素直にタバコを拾いにいったのです。

何だ、分かっているんじゃないか、それなら最初からしなければいいじゃないか、と思いますが、そのあたりはまだまだ、日本人が苦手とする「公衆的マナーの欠如」でしょう。誰も見ていなければいいか、あるいは、何も言われなければいいか、でつい、やってしまう傾向は、なかなか直らないようです。

ところで、一日2箱以上(40本以上)の結構なヘビースモーカーだった私が、タバコを辞めたのは、振り返れば10年9月22日から、でした。その年の10月1日から、タバコの値段が大幅に上がることもありましたが、私にしてみれば、値上げよりももっと、わずらわしい問題が身近に起きていたのです。

それは、体育館など試合会場に設置されたプレスルームの全面禁煙でした。プレスルーム、つまり記者室は、取材を終えた記者たちが原稿を書く仕事場です。習慣的にタバコを吸いながら・・・という面々は多く、これまで情状酌量? 的に配慮されてはいたのですが、やはり世の禁煙・分煙傾向は各所に押し寄せ、タバコは喫煙所で、と相成ったのです。

その喫煙所がまた、遠いところにあり、たいてい外です。原稿を書き、途中で外まで行ってタバコを吸い、戻ってまた原稿を書き、の繰り返しでは、時間に追われていることもあり、イライラするばかりです。イライラすればタバコの量も増え・・・。

こりゃ、もうタバコはダメ、ムダ、え~い、辞めちゃえ! となりました。

超ヘビーだった私を知る友人たちは、辞めた当初、そろって“信じられない”と言いました。辞め方は難しかっただろ、とも言われました。実は“意識の差”により、案ずるより生むが易し、だったのですが・・・。

「禁煙」と「断煙」にある意識の差

その年の4月、神奈川県では松沢成文・前知事が、全国に先駆けて「受動喫煙防止条例」を施行、海水浴場にも喫煙所を設けるなど、公共の場での喫煙を大幅に制限しました。

そのときはまだ、タバコを吸っていた私は、この条例にかなり、反発しています。なぜなら、喫煙にしても、例えば海岸でバーベキューを楽しんだ後のゴミの後始末にしても、狭い道を横一列となって塞いでしまう行為にしても、それはすべて「公衆的マナーの問題」であり、お上が条例で規制する問題ではないだろう、と考えるからです。

というと、友人は「それは甘い考えだな。人は規制がなければ、罰金でも科さなければ、直ることはないよ」と当たり前のように言います。そういう話を聞くと愕然としてしまうわけですが、もしそうなら、あまりにも情けなさ過ぎる、人はそんなものじゃないだろ、と思ってしまいます。

10年10月の値上げを機に当然、タバコを辞めようとする人も多かったようです。医療各機関に設けられた「禁煙外来」がにぎわった、などという話もよく、耳にしました。

この「禁煙外来」で、どれだけの人たちがタバコを辞められたのかは、ちょっと分かりませんが、これも“条例の施行”と似たり寄ったりのところがあり、基本的には「第三者(他人)の手によって規制される」ということです。

私自身は、第三者によって強制的に“禁じられる”というイメージがある「禁煙」という言葉には抵抗があり、あくまで自分自身の意志の問題であることから、これは「断煙」なのだ、と自分に言い聞かせていました。

思うことは、神奈川県の「受動喫煙防止条例」などは、個人の意志を無視していて“失礼”に感じられます。

なぜなら、例えば学校、病院などの施設での禁煙は、そこにもし、禁煙の表示がなかったとしても、そこでタバコを吸う人などいないでしょう。それが、人それぞれ、言われなくても備えている公衆的マナーであり、そこにお上が踏み込んでくることなどありえないのです。人々はこれに怒りを感じるべきでしょう。

ただ、冒頭に記した出来事のように、言われれば“しまった!”と思い、多くの人たちは素直に反省するのでしょうが、ついやってしまった、ということが後を絶たないのは事実です。行政は、それに業を煮やすのではなく、まず、マナーの喚起を辛抱強くリードすることが先決ではないかと思いますが・・・どうでしょうか。

日本たばこ産業(JT)調査によると、喫煙率はここ数年、減少の傾向にあるようですが、これは何も、行政の喫煙場所の規制という不便性によるものだけではなく、多くは「健康志向の高まり」という個々の意志によるものなのですから。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR