試練となるか? “怪物”の未知との遭遇

プロゴルフの国内男子ツアーは、今季メジャー第1戦となる「日本プロゴルフ選手権~日清カップヌードル杯」(5月16日開幕、千葉・印西市=総武CC総武C)が始まりました。

人気面で低迷を続けていた同ツアーですが、今季は松山英樹(21=東北福祉大)という“怪物ルーキー”のプロ転向→参入で一気に盛り上がりを見せてきたようです。

松山はプロ2戦目の「つるやオープン」(4月28日最終日、兵庫・川西市=山の原GC山の原C)で早くも優勝を飾りましたが、何しろ最終日、上がり4ホールで連続バーディーを決め、接戦を制するなど、勝ち方がドラマチックで見る側の手に汗を握らせ、魅せる要素も十分に発揮しています。

今回、プロ4戦目でメジャー制覇ともなれば、昨年の「日本ツアー選手権~シティバンク杯」を5戦目で制した藤本佳則の、メジャー優勝の国内男子ツアー最短記録(1985年のツアー制度施行後)を更新するスピード優勝となり、その成り行きが注目されるところとなっています。

ところで松山はアマチュア時代、2011年の国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝しています。その年の春先には、世界最高峰のゴルフの祭典「マスターズ」に初出場しており、日本人選手として初めての“ローアマ”を獲得しました。

持てる力量に関しては、すでにプロ並み、と言えますが、では概して、プロとアマの大きな差は何か? というと、心技に関しては多彩なマネジメント力があるかどうか、体に関しては年間を戦い抜ける体力と集中力があるかどうか、とよく言われました。

確かに「体」を単純に考えてみても、アマチュアが年間数試合を単発的に臨んでいるのに対し、プロは年間を通して毎週のように行われるツアーをこなしています。

難しい年間を通した調子の維持

この差は、体力的な面もさることながら、試合に向けた集中力の維持、という面で大きいでしょう。つまり、アマチュアが単発的に行われる試合にその都度、全力を傾注できるのに対し、プロは前週、不調でも、立て直す間もなく、今週の試合に臨まなくてはならない、という“次から次”の中に身を置かなくてはならないということです。

だから、あるベテラン・プロは、シーズン・オフの体づくりは欠かせないと言い、そこでは、例えばシーズンが始まって不振に陥ったとき、それを長引かせず、試合を行いながら、好・不調の波の幅を出来るだけ小さく抑えられるような鍛錬を課すのだ、と話していました。

目下、USLPGAツアーを転戦中の石川遼(21)は、とにかく試合出場が多いため、そうした体づくりにジックリと取り組む時間が少ないのでは? という声を聞きました。

今は多少の疲れなどは若さで乗り切ってしまうのでしょうが、米国転戦での戦績がもう一つで予選通過が精一杯の展開は、あるいは?・・・ということも考えられるかもしれません。

プロ転向直後の松山にしてみても、それはなおさらのことでしょう。優勝を挟んで初戦、第3戦とも上位&優勝にからむ活躍で目下、賞金レースでもトップに立っています。

“怪物”には違いありませんが、そう言われていても、この4戦目、疲れはピークにあるのではないか、とは容易に予想がつきます。

新聞紙面では、ドライバーが曲がって不調、などと報じられていますが、それは疲れの裏付けかもしれません。

が、プロのツアーは、まだ始まったばかりです。これから暑い夏場を経て終盤戦の秋まで、他のプロたちと同様、松山も戦い抜かなければなりません。それがプロ、特にトッププロたちにとっては、わがままが許されない“仕事”なのですから・・・。

序盤で全開のこの逸材への心配は、これから先の乗り切り方、調子が落ち込んだときにどう、立て直すか、でしょうか。それはアマ時代にはなかった“未知との遭遇”なのです。

山あり谷ありの長丁場のツアーを、松山には最後までつまづきなく、うまく乗り切ってもらいたいですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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