歴史的舞台「メリオン」での戦い

手元に一冊の古ぼけた本があります。ゴルフの“球聖”ボビー・ジョーンズ著(今井健一郎・訳)「ゴルフはわが人生」(東京創元新社刊)です。

ジョーンズが1930年、同年度の「全英オープン」「全米オープン」「全英アマ」「全米アマ」の4大タイトルを制覇したことは、よく知られています。

このグランド・スラム達成は、当時は“奇跡的”にして“空前絶後”の偉業であり、同書でも「難攻不落のゴルフ4冠王」と記述されています。

ジョーンズは3冠達成後、最後の1冠、全米アマに向かうにあたり、こんな感想を抱いています。

〈私はメリオンが米国ではもっとも私の好みに合ったコースであることを知っていた。よいコースであるうえに、それは私が非常な愛着を持っているコースであった。私が全米アマチュア選手権で最初にプレーしたしたところが1916年のメリオンであった。1924年に私が初優勝したのもここであった。私はわが生涯でもっとも重要なゴルフの年における最後のイベントに対して、もっとも幸先よい道具立てを選ぶことができたのであった〉(同書「グランド・スラムへの道」から)

“球聖”が、こよなく愛し、ここに立つたびに心地良さを感じていたのだろう「メリオン」は、米ペンシルベニア州のフィラデルフィア近郊に位置する名門ゴルフクラブです。

ジョーンズの栄光が永遠に刻み込まれるこのコースで6月13日、USPGAツアーの今季メジャー第2戦「全米オープン」が開幕しました。メリオンGCでの同オープン開催は、1981年大会(優勝はD・グラハム)以来、実に32年ぶり、5度目となります。

“球聖”の聖地で何が生まれるか?

第1日の模様は、テレビ朝日系が深夜から未明にかけて、ゴルフ専門チャンネルの「ゴルフネットワーク」は、それこそ一晩中! の長時間を割いていましたが、残念ながら降雨のため長時間の中断、午後も中断、また中断、を余儀なくされ、多くの選手がホールアウトできずに日没サスペンデッドとなってしまいました。

日本からは藤田寛之(43=葛城GC)と松山英樹(21=東北福祉大4年)の“新旧コンビ”ら4人が参加しています。その中で注目が、やはり、初出場の松山がどんな結果を出すだろうか? に集中してしまうのは仕方のないことでしょう。

4月のプロ転向宣言後、国内ツアーは5戦2勝(2位2度)の戦績、この全米オープンの日本地区予選もトップで出場切符をつかんでいます。

大会に向けたメリオンGCのコースセッティングは、全長6996ヤード(パー70)と7000ヤードを切ったことが話題となりました。が、決して短いわけではなく、長いところはしっかり長く、フェアウエーも狭く、USGA(全米ゴルフ協会)主催らしい仕様であることに変わりはありません。

第1日、ホールアウトできた藤田が、6オーバーの76だったことが、ひと筋縄ではいかない難しさを証明しています。

期待が懸かる松山ですが、もっとも気がかりなのは「疲労」でしょう。逸材といえど国内ツアーでは毎回、優勝争いにからむシビアな戦いを繰り広げており、いくら若いといっても、疲れがないほうが不思議なことです。

今回は、それを割り引いた声援を送ろうとは思いますが、舞台が“球聖”の聖地という由緒あるメリオンであることを考えると、どうしても松山には、ウッズやマキロイらとの“歴史的”なつばぜり合いを求めたくなってしまいますが、果たして・・・ですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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