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続・歴史的舞台「メリオン」での戦い

ゴルフの「全米オープン」(6月16日最終日、米ペンシルベニア州アードモア=メリオンGC)で、初出場ながらトップ10入り(通算7オーバーで10位タイ)した松山英樹(21=東北福祉大4年)に「修正能力の高さ」をつくづく感じました。

最終日の模様は、テレビ朝日系で6月17日午前4時30分から中継されましたが、終盤の緊迫的な優勝争いもさることながら、私にとって面白かったのは、テレビの画面左下に表示されていた「松山英樹 +7(F)」(注=Fはホールアウト)の順位が、上位陣の苦闘によって、どんどん上がって行くことでした。

1ホールが終わるごとに・・・13位、11位、といった具合。10位まで“あと一息”のところに来たときは、思わず「イケイケ! もっと上がれ!」と、そちらばかりが気になってしまっていました。

ちなみに優勝を飾ったのは、ジャスティン・ローズ(32=英国)で通算1オーバーの281。ローズは、メジャー大会初優勝となりました。

最終的に松山の“他力本願”の順位上昇? は10位で止まりましたが、それにしても、第3日を終えて通算10オーバーの39位、そこからの巻き返しですから、やはり、ただ者じゃない! と思わざるを得ません。

なぜなら、最終日に出した6バーディー、3ボギーの「67(パー70)」は、この日のベストスコア・タイだったし、10位浮上で何よりの収穫となったのは、次年度の出場権を獲得できたことだったのですから。

備えた実力に加え、大舞台での戦いには欠かせない運をも味方につけた最終日の猛チャージでしたが、私が松山に感じた強さは、修正能力の高さ、でした。

“球聖”ボビー・ジョーンズの聖地として名高いメリオンGCは、1981年大会以来、32年ぶり5度目の全米オープンを迎え、USGA(全米ゴルフ協会)仕様ならではの猛々しいセッティングで選手たちを泣かせていました。

悪天候も加わってタフな戦いを強いられた予選ラウンドを終え、日本勢4人は、3人までが予選落ち、松山もショットとパットがかみ合わず、イライラが募る日々だったようです。

“怪物”に見た「修正能力」の高さ

大事な第3日に浮上できず、後退を余儀なくされてしまったのは、パットが思うようにならなかったからでした。大会を取材しているスポニチ本紙の担当記者は、第3日を終えた松山の談話を「最初のバーディーチャンスを決め切れなかった。その後もチャンスを外してどんどん、ストレスがたまっていった。ショットにも悪影響を与えて立て直せなかった」と伝えていました。

最終日の松山の圧巻は、奪った6バーディーのうち、10番からの3連続バーディーだったでしょう。中でも11番は、自身もビックリの約12メートルを沈めてのもの。第3日のパットの不調をリベンジ、完全に修正できた結果が、この12メートルに象徴されているかのようでした。

例えばプロボクシングの世界で、一流の世界王者と評価される選手たちは、たいてい多くの引き出しを持っているもの、と言われます。

世界王者ともなれば、それこそ世界中のチャレンジャーから狙われる立場となるわけで、それはまた、どんなタイプのボクサーとも戦わなければならない、ということを強いられます。

そうした状況下にあって、多くの防衛を重ねている王者たちに共通して見られるものは、多彩な対応力です。つまり、想定外の攻防になったとき、あるいは膠(こう)着状態となったとき、展開をどう変えて自分有利に持ち込んでいけるか、という対応力は、自分がどれだけ多くの引き出しを持っているか、にかかってくることです。

日本のプロボクサーでは、元2階級制覇王者・長谷川穂積(真正)などは、これがだめならあれ、と展開を様々に変える引き出しを多く備えた、凄いボクサーだったと思います。

優れたプロボクサーが持っている対応力、引き出しの多さを、プロゴルファーの戦いに当てはめるのも、ちょっと無理があることは承知ですが、共通項はあるでしょう。それが、松山の最終日の修正に感じた、多彩なマネジメント力でした。

そして・・・です。大事なことは、このメリオンGCを舞台とした苦闘が、松山の潜在能力を大いに刺激したことではないでしょうか。

近い将来に実現するかもしれない米国でのメジャー制覇に向けて、松山は今、本格的なスタートを切ったのかもしれませんね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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