近づく“怪物”の偉業達成の日

プロゴルフ界では、プロに転向したばかりの松山英樹(21=東北福祉大4年)が“怪物”の異名そのままに大暴れしています。負けじとプロボクシング界で大暴れしているのが、こちらも“怪物”と呼ばれている井上尚弥(20=大橋)です。

井上は、この4月16日、プロ3戦目で日本ライトフライ級1位の佐野友樹(松田)と激突=ノンタイトル10回戦=し、10回1分9秒、TKOに下し、この勝利により、日本ランクを早くも同級1位としました。

所属する大橋ジム(横浜市西区=大橋秀行会長)では、この8月にも日本ライトフライ級王者・田口良一(ワタナベ)にチャレンジさせたい意向ですが、プロデビューから4戦目での日本王座奪取となれば、辰吉丈太郎(大阪帝拳)が1990年9月、プロ4戦目で日本バンタム級王者・岡部繁(セキ)から王座を奪った最短記録に並ぶことになります。

振り返れば、佐野戦の井上は、大変な重圧の中に置かれました。

4月16日は、ロンドン五輪ボクシング(ミドル級)金メダリスト・村田諒太(三迫)が、東京・後楽園ホールでプロテストの実技試験を受ける日でした。これに着目したフジテレビ系が、夜に控えた井上の試合と抱き合わせで午後7時から2時間枠で、異例のゴールデンタイム生中継を敢行したのです。

合言葉は「既成の打破!」

そうした中、井上は別段、気負うこともなく、いつものボクシングを展開させました。初回、いきなり佐野の右目尻を切り裂き、2回は左フックで、4回には連打で、ダウンを奪う攻勢を続けました。

この段階では、早い回の勝利が予想されましたが、決着が最終10回まで長引いたのは、井上によると「3回くらいだったと思いますが・・・」という、右拳の痛みによるものです。それ以降、右が使えず、ほとんど左1本での戦いとなりました。

簡単に“左1本”などと言いますが、並みの選手ならパニック状態になっても仕方のない情勢でしょう。が、井上の“異能”は、ハンデを背負いつつも、どう攻め続けて最後は倒すか、を冷静に思考し続けた、ルーキーらしからぬ冷静さだったと思います。

そして最終回、この光景は今も目に焼きついているのではないでしょうか。攻め込み、上下へ左ダブルを叩き込み、レフェリーストップのTKO勝利です。

突然のトラブルに巻き込まれながら、10回を戦って最後に倒した勝利、これは井上にとって、長いラウンドを戦い抜いたことを含めて貴重な経験になったことと思います。

さてさて・・・です。高校7冠のこの逸材に課せられているのが、果たして井上は、井岡一翔(井岡)が持つプロ7戦目の世界王座奪取という、日本人の最短記録を更新できるかどうか、という期待でしょう。

8月の日本タイトル奪取(4戦目)をクリアしたとして、その後、2戦目なら記録更新、3戦目ならタイ記録、となりますが、それにしても、いかに7戦目の世界王座奪取が至難の業であることか、が分かります。

しかし、今や、松山の快進撃が裏付けるように“ニュー・エイジ”の共通項は「既成の打破!」です。

8月は、村田のプロデビュー戦も予定されていること。ニュー・スターたちの活躍が、現状を次々に変えていく予感がしてなりません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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