“誤報”騒動が呼び起こした教訓

“そのとき”の私は、自宅の居間でデレッと寝そべって、テレビの夕方のニュースを視聴していました。

8月8日午後4時56分-。携帯電話が、あの、ウイッ、ウイッ、ウイッ~! という不気味な報知音を鳴らしました。私の居住地は、神奈川県藤沢市ですが、エリアメール発信の緊急地震速報には「奈良県で地震発生。強い揺れに備えて下さい。(気象庁)」とありました。

テレビの画面にも、緊急地震速報のテロップが流され、関東甲信から九州まで、かなりの広範囲が警戒エリアとして赤く色づけられており、その大規模さに、寝そべっていた私の弛緩は吹っ飛び、一気に緊張感に包まれました。

しかし、いつまでたっても揺れはやって来ず、結局、この緊急地震速報は「誤報」となったわけですが、何と人騒がせな! と発信した気象庁に腹を立てることより、今回は、速報を受けた私自身が瞬間、どんな行動をとったか、ということのほうに腹が立ってしまいました。

東日本大震災(2011年3月11日)以後、大規模災害に対する備えの必要性は、以前に比べて格段にアップし、誰もがより一層、身近なものとして受け止めるようになったことは間違いないことでしょう。

そのときが来たら・・・結局、仕方がないよな~など、それほど対応に真剣ではなかった私でしたが、それでも一応、緊急時に持ち出したいものは、ひとまとめにしておこう、くらいのことはしており、部屋の隅に置いてはあります。

さて、今回、警報が鳴らされたとき、私は何を考え、何をしたでしょうか。

腹立たしい! 希薄だった防災意識

まず、テレビからの情報を聞き漏らすまいとテレビに近づき、揺れが来たときに倒れてはまずい! とそれを片手で押さえ、家の中を見渡しながら、あの本棚が倒れては・・・とか、あれが倒れては、とか、そんなことばかりを考え、せっかく緊急持ち出し用の荷物をつくってあっても、それを手元に置いておくことなど、肝心のことには、まったく頭が回っていない、人には見せられない、情けない姿をさらけ出していました。

結果、誤報で助かったものの、もし、気象庁が緊急地震速報を発令した理由としての「奈良県と大阪府で震度6弱から7程度の揺れを予想」が、本当に来ていたら、私自身は、ささやかな準備など生かされず、パニック状態に陥っていたのではないかと思います。

毎年9月1日にやってくる「防災の日」は、1923年(大12)9月1日に起こった関東大震災の惨事を振り返り、防災意識を高めるために制定されたものです。

手元のスクラップブックに昨年の同日付に掲載された、大規模災害に対する家庭準備、の記事が切り抜かれて貼られています。あらためて読み直してみると、非常用持ち出し品、備蓄品、常時携行品、の各チェックシートには、携帯トイレから給水用ポリタンク、カセットコンロ、さらには水のいらないシャンプーなどに至るまで、必要品が徹底して挙げられています。

確かにこれらは、あれば便利な必要品でしょうが、しかし、これらをすべて準備して移動するには、確実に車が必要になってしまうような気もします。

もちろん、用意周到な方々もいて、災害発生時のシュミレーションも既にできているよ、という方々も多いことでしょう。が、あの警報で私ができたことはホント、何もなく、ただ誤報でよかったなァ、と安堵することだけでした。

近い将来、日本は再び、大規模災害に見舞われるだろう、という予測は、東日本大震災以後、誰もが胸中に宿らせている不安でしょう。

が・・・それでいながら、その準備が十分に出来ていないこともまた、実情だと思います。

8月8日の誤報騒動は、災害に対する緊張感、準備の心を取り戻すためにも、災い転じて・・・の出来ごとになったかもしれません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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