コンビニと高齢者の新図式

あっ! 香典用の熨斗(のし)袋を切らしていたっけ! 

知人の急な訃報などを受けて、あたふたと準備にバタつくことは、結構あるものです。そんなとき、すぐに頭に浮かぶのは「コンビニエンス(convenience=便利)ストア」の利用でしょうか。

時間がなければ、深夜でもその日のうちに、時間があれば、翌日の出掛けにでも立ち寄って・・・。何しろ、その慶弔事用品コーナーには、熨斗袋と並んで喪服用の黒ネクタイまでそろえてあるのですから、コンビニ各店の、多岐にわたる品揃えとキメの細かい配慮は、窮地に手を差しのべてくれる心強い助っ人、と言えます。

かつて友人は、こんなコンビニの存在を「ドラえもんの四次元ポケットだな」と表現し、また、弁当を購入した際に店員さんが問いかける「温めますか?」の言葉には、不思議な温かさを感じ、弁当とともにこのご時世、心までも温まるなァ、とすっかり、コンビニ・ファンになってしまいました。

さて・・・コンビニのルーツは1927年、米国テキサス州の小さな町オートクリフにできた氷販売店と言われています。地域に住む人々の、生活に欠かせない冷蔵庫用の氷を販売するうち、次第に消費者のニーズに応えて卵や牛乳、パンなどの日常食品類や日用雑貨品と、次第に取り扱う品目の幅を広げていった、とのことでした。

若者から高齢者へと形を変える

手元に興味深い資料(古川隆久著「早わかり~昭和史」参照)があります。

日本の高度経済成長初期にあたる昭和24年以降、各家庭は「三種の神器」(白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機)の所持を大きな目標にせっせと汗を流しました。

それらがひと通り、各家庭に普及した昭和30年以降、今度は「3C」(カラーテレビ、カー、クーラー)の所持へと対象が変わっていきます。

そして・・・昭和50年前後、人々の生活意識が“多様化”して大きく変わり始めた時代・・・ここに「ソニーのウォークマン(再生専用カセット式携帯用ステレオ機器)」「カラオケ」と並んで「コンビニ」が登場してきます。

日本におけるコンビニの第1号店に関しては、諸説があるようですが、同書には〈スーパーマーケット・チェーンのイトーヨーカ堂が、昭和49年、アメリカから導入した「セブン・イレブン」を東京の下町=江東区=に開業した〉とありました。

その「セブン・イレブン」第1号店のコンセプトは、都市部にあり、スーパーや個人商店が開いていない時間でも、客がいつでも自分のペースで買い物ができる店、としてスタートしています。

当然、独身者、あるいは単身赴任者たち、また深夜まで働いている若者群が、帰宅途中に立ち寄る便利な店としての役割を背負った運営ですが、それが昨今、様変わりしたのでは? と思うことは「コンビニ=若者」の図式が崩れて「コンビニ=高齢者」の新図式が構築されつつあることのように思われます。

例えばこれまで、自転車で15分くらいのスーパーで買い物をしていた高齢者群が、やがて自宅から徒歩5分のところにあるコンビニに買い物の場を変えていくことは、容易に考えられることです。

「買いたいものが、すぐそこにある」-という、コンビニが持つ便利性、手軽さはこれから、主食類や惣菜類など食品類の充実が加わり、遠出が体力的にきつくなった高齢者の生活支援の場として形を変えていくような気がします。

としてみると、あの伝統的? な「温めますか?」は、高齢者たちに思い切り優しい言葉にも思えてくるのですが・・・。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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