新技に個人名をつける意義

今度は「シライ2」-。

体操の“ひねり王子”こと白井健三(17=神奈川・岸根高2年)が繰り出す技が、次々に新技として承認され、自身の名前が命名されています。

高校生選手の白井は、先の「世界体操選手権」(アントワープ=ベルギー)に史上最年少の日本代表選手として出場。床運動の予選で「後方伸身宙返り4回ひねり」を決め、この新技が「シライ」に、また跳馬でも、金煕勲(韓国)とともに成功させた新技の「伸身ユルチェンコ3回ひねり」が、金と連名の「シライ/キムヒフン」に命名されることになりました。

今回、新たに国際体操連盟(FIG)に申請されることになった新技の「シライ2」は、床運動の「前方伸身宙返り3回ひねり」だそうで、承認されることになれば、3つの「シライ」が世界の舞台で躍動することになります。

体操というジャンルは、もともと日本のお家芸だったにもかかわらず、一般的には日ごろ、あまり身近になく、五輪イヤーなどになるとにわかに注目されるようになる、どちらかというと地味な分野にありますが、今回の“白井旋風”により、一気に話題集中となった感じです。

面白いものです。体操の技に関しては「ムーンサルト(月面宙返り)」や「ツカハラ跳び」などが記憶にあり、すぐに思い出されます。が、いかにも技術名らしい「ムーンサルト」はともかく、私自身の認識不足によるものですが、かつての塚原光男氏が跳馬で決めた「ツカハラ跳び」が、その新技に命名された正式名称であることは、あまり知られていなかったのでは? と思います。

世界に躍動する「シライ」

体操競技では、事前にFIGに申請した新技を五輪や世界選手権などの国際舞台で成功させると、その技に成功させた選手の名前がつけられる慣習があることも、今回の「シライ」命名により、フ~ン、そうなんだ、と初めて認識させられました。

データによると、そういえば過去には、塚原氏の「ツカハラ跳び」のほか、森末慎二氏の平行棒「モリスエ」などがあり、今回の世界選手権では、白井の「シライ」のほかにも、加藤凌平(順天堂大2年)が吊り輪で決めた、足を上向きに静止させたまま十字懸垂する新技も「カトウ」と命名されています。

こうした出来事を改めて考えてみると、新たに編み出された新技を成功させた場合、その技に選手名がつけられることは、いいアイディアだなァ、と思います。

なぜなら、それは成功させた選手の努力と汗、精進の賜物であり、体操独特の一般的にはどうにも分かりにくい「○○伸身宙返り××ひねり」などの技術名では表しきれない“内面的なもの”が含まれるからです。

その意味では、他競技でも、この方法をマネてもいいのでは? と思います。

例えば、フィギュアスケート女子の浅田真央(中京大)が、高得点を獲得するジャンプを成功させたなら、その技を「アサダ」あるいは「マオ」と命名しては? またプロボクシングでもWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)が繰り出す一撃必殺の「左」は「神の左」と言われていますが、あるいは「ヤマナカ」と命名してみたらどうでしょうか。そのほうが、世界最前線のリングにあって、不気味というか、迫力が増すのではないでしょうか。

そう考えると、長いときを経て忘れられがちな過去の快挙も、個人名がつけられていることで風化してしまわないメリットも出てくるのでは? と思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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