パッキャオって何者? からの脱却

テレビの「WOWOW」を何気なく見ていたら「週刊ボクシングnavi」が始まりました。

元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏が、WOWOWの山藤美智アナとコンビを組み、初心者向きにボクシングの魅力を伝える、ユニークな番組です。

何気なく見たその日、番組は、山藤アナが「マニー・パッキャオ」「フロイド・メイウェザー」「ゲンナジー・ゴロフキン」「村田諒太」「亀田興毅」の5選手の写真を貼ったパネルを持って街中に飛び出し、一般の人たちに「この人たちを知っていますか?」と聞いて回っていました。

知名度の高さは、当然のことですが、村田と亀田が圧倒的で今、その名が浸透していることが裏付けられます。が、パッキャオ、メイウェザーを知っている人は、ほんのわずか。近い将来、村田の標的になるだろうWBA世界ミドル級王者のゴロフキン(カザフスタン)を知っている人は皆無でした。

ゴロフキンは仕方がないにしても、パッキャオ、メイウェザーを知る人の少なさに対しては、ボクシングを伝える側(マスコミ)も注目すべきことで、知らない人をなじるのではなく、真摯に受け止めて、分かるように丁寧に知らせなくてはならない問題だろうと思います。

マニー・パッキャオ、1978年12月17日生まれの34歳、フィリピンのプロボクサーで政治家。フライ級(リミット50・80キロ)からスーパーウエルター級(同69・85キロ)まで、ボクシング界の常識を破る、体重の壁を超えて、6階級を制覇(史上2人目)したスーパースターです。

一方のメイウェザーは、1977年2月24日生まれの36歳、45戦無敗を誇る米国の世界5階級制覇王者です。今年最大のビッグマッチと世界の注目を集めた9月の対サウル・アルバレス(メキシコ)戦も、終わってみれば、メイウェザーのスピードに相手がついてこれず、赤ん坊扱いの判定勝ちを収め、最強ぶりを遺憾なく発揮していました。

一般社会への認知度を高めたい

彼らスーパースターの試合は、そのたびにWOWOWが「エキサイトマッチ」で生中継してくれ、スポーツ新聞各紙もそれを報じます。が、テレビも新聞も、その報じ方は、パッキャオとかメイウェザーとかのビッグネームは、誰もが知っていて当たり前、ということを前提として行われています。

が、実際、彼らを知っている人たちは、一般社会で少ないのです。

例えば格闘技界では、かつて、1993年に「K-1」が誕生し、1997年には「PRIDE」が発足、その後、テレビ各局もそれをバックアップしてシリーズ化され、日本に格闘技のメジャー化をもたらしました。

当初、新聞は「K-1」に必ず「立ち技打撃系格闘技」と注釈を入れ、総合格闘技の「PRIDE」にしても「アルティメット(総合格闘技)」とか「ヴァーリトゥード(ブラジル語で何でもありの意味)」とかの言葉にもやはり、注釈は必要だろう、という方針が立てられました。

それは、せっかく人気の出たこの新ジャンルを、多くの人たちに認知させたい、との思いからでした。

しかし、格闘技の現場に出て、さまざまな人たちに接すると、テレビを軸とする格闘技のメジャー化が、必ずしも歓迎されているわけではなく、それ以前、会場に行かなくては観(み)ることができなかったときのファンは、そんなに広まらなくてもいい、格闘技など、もともとコアなファンだけのものなのだから、と一線を引いていたものでした。

それはそれで言い分はあり、例えばグレイシー柔術の成り立ちや、その系図などの知識は、彼らがまだ、豊富な資料が出回らない時代に大変な思いで収集したものであり、それをテレビによって苦もなく知った、彼らにしてみれば“にわか”格闘技ファンに物知り顔されてはたまったものではない、といったところだったのでしょう。

気持ちはよく分かります。が、多くの人たちが目にするテレビや新聞は、コアなファンの垣根を超えて、伝えることが使命です。

ボクシングに話を戻し、徹底して平和主義を貫く私の友人などは、スポーツで勝ち負けを競う必要性を認めず、まして殴り合いという危険性を持つボクシングなど認めようともしません。

しかし、そういう人たちに対しても、そこにはパッキャオや山中慎介たち、素晴らしい人間が、人生を懸けて頑張っているのだ、という、ボクシングの意義を伝え、一般社会へ「認知」させることを、常に念頭に置いて考えるべきなのでしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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