亀田興毅のV8戦に求められるもの

プロボクシングのWBC世界バンタム級王者・山中慎介(31=帝拳)が、5度目の防衛戦をファン大喝采のKO勝利で飾った後は、WBA世界同級王者・亀田興毅(27=亀田)の出陣です。

亀田興は11月19日、韓国・済州島で同級14位の孫正五(32=韓国)を挑戦者に迎え、8度目の防衛戦を行います。

ランク14位? 32歳の孫? この世界戦は、広い視野で見るなら、近年、低迷を続ける韓国ボクシング界へ知名度のある亀田興が乗り込んで人気回復策に協力する、という亀田興側の涙ぐましさが感じられますが、世界タイトルマッチの価値を言うなら、ちょっとネ~、と疑問が残ります。

孫という選手がよく分からず、資料を調べてみると、戦績は26戦20勝(6KO)4敗2分け、02年9月に大阪で小松則幸と東洋太平洋フライ級王座決定戦を行い判定負け、最新の試合は昨年12月、とありました。実戦から約1年遠ざかって試合勘はどうなのか? バンタム級の経験がほとんどないまま、自身初の世界挑戦-。

こうしたデータを見る限り、山中が戦って倒してきた相手とはまるで比較にならず、だから“またか”と、これまでのV7が、そのまま“凄いネ”“強いネ”と素直に受け止められない「?」が、いつまでも亀田興の周辺から消えないのでしょう。

V6戦(13年4月7日)のパノムルンレック(タイ)戦で拙い試合をし2-1判定の辛勝。試合後、リング上で土下座してファンに謝罪した悔しさと反省を、前回V7戦(13年7月23日)のアポリナリオ(フィリピン)戦で生かし、10回と最終12回にダウンを奪う攻勢で3-0判定勝ちを収めました。

ただ防衛を重ねればいいわけではない!

そうした中、今回のV8戦で亀田興に求められるものは、ただひたすら「内容」でしょう。

ボクシング好きの友人たちと話しているとき、3人とも世界王者の亀田兄弟に関して必ず話題となるのが、彼らはいったい、強いのか? 弱いのか? ということです。

最初のころならともかく、様々な出来事を経てここまで来てまだ、そういうことが常に話題の俎上(そじょう)に乗せられることは、まったくおかしなことです。亀田興にしても、日本人で初の3階級制覇達成、3階級目のバンタム級で7度防衛、と輝かしい実績を持ちながら、しかし、そうした疑問がつきまとうのはすべて、亀田陣営がしてきたことの足跡から起きていることなのです。

そうしたものを拭い去るのは、もうそろそろ、王者としての真価を見せること、ファンが望む対戦に向かうこと、しかありません。

亀田興の上に位置するWBA世界バンタム級スーパー王者アンセルモ・モレノ(パナマ)との対戦はどうなのか? 統一戦を実現させるためにクリアすべき問題は多いかもしれませんが、WBC王者・山中との対戦に積極的に向かう姿勢はあるのか? などがそれでしょう。

亀田兄弟は、次兄のIBF世界スーパーフライ級王者・亀田大毅と末弟のWBO世界バンタム級王者・亀田和毅が12月3日(大阪・ボディメーカーコロシアム)にそれぞれ、ダブル世界戦を行います。

それに先立ってV8戦を行う亀田興は、だだ防衛を重ねれば良し! とするのではなく、どういう勝ち方をすればいいのか、という自覚、そしてその後に控えるビッグマッチを視野に入れ、文句なしの試合を見せることが“役目”となることでしょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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