「挨拶」から広がる“人の輪”

「こんにちは~! お先に失礼しま~す」-。

元気いっぱいの声が後ろから掛かり、思わず振り向くと、そこには、それぞれにデイパックを背負った小学生グループの笑顔がありました。

懐かしい大学時代の友人から連絡があり、秋晴れに恵まれた11月の某日、では久々に会おうか、ノンビリと鎌倉散策などはどうだい? ということになりました。

私が住む藤沢市(神奈川県)は、江ノ島電鉄(通称・江ノ電)が鎌倉までを結んでいます。藤沢駅から乗車して約30分、鎌倉駅の3駅手前が、高徳院の巨大な阿弥陀如来坐像(大仏サマ)見学の最寄り駅で知られる「長谷」駅です。

友人たちとの鎌倉散策コースは、この長谷駅で待ち合わせ、大仏サマの裏手にあたる道をテクテクと歩いて長谷トンネルを抜け、佐助稲荷神社→銭洗い弁天、今は“縁結び”の神社として若い男女でにぎわう葛原岡神社を経由して北鎌倉へ、そこから鎌倉に向かい、打ち上げは、小町通りでビールと鰻丼! という結構な計画となりました。

長谷駅周辺は、この時期、小学生たちの修学旅行でにぎわっていました。大仏サマは、定番の見学コースなのでしょう。そして・・・私たちが選択したコースでもまた、子供たちのにきやかな声が響いていました。

冒頭に記した元気な「挨拶」は、私たちが佐助稲荷神社に向かう途中で掛けられたものです。付き添いの先生は見当たらず、生徒たちはグループ別に自由行動で名所を見て回っているようでしたが、先生方の指導を受けているのでしょうが、この少年・少女たちの「挨拶」には、少なからず感心させられました。

「挨拶する」という、子供たちによるホンの小さな“声の接点”がなければ、単純にオジサン連中と修学旅行中の子供たちが、道ですれ違っただけ、で終わってしまっています。が、そうした挨拶があれば、されたほうも「どこから来たの?」「これからどこに行くの?」という会話が始まります。

小学生に模範を示されてしまった!

挨拶は、単に礼儀だけでなく、そこから広がる会話、コミュニケーションにつながるという意味で大切ですが、この簡単なことが昨今、大人の間でもなかなか出来ていないケースが多く、私たちも「気持ちのいい挨拶だねェ」と子供たちに教えられる思いでした。

ことのついでに私たちは、一人の少女に写真を撮ってもらおうとカメラを手渡したところ、嫌な顔もせず、ハイ、チーズ! などと言いながら、快く引き受けてくれました。が、ハイ、よく頼まれます、とちょっと手馴れすぎていたところが気にはなりました。少年・少女たちは日ごろ、お小遣い、その他のおねだりなどでオジイちゃん、オバアちゃんを持ち上げる手管を案外、心得ているのかもしれません。

銭洗い弁天を経て急坂をひと上り、葛原岡神社の広々とした境内は、ポカポカと小春日和の暖かさでした。ここから北鎌倉へは、ひと山越えのハイキングです。

ここでも、すれ違う人たちとの挨拶は、当たり前のように行われていました。さすがにこの山道は、小学生たちはいませんでしたが、人々は、下から上がってくる人たちには道を譲り、挨拶を交わします。心が和む光景です。

それにしても・・・私自身、かつて高校生のころ、丹沢などの山に行き、チワーッス! など普通に交わしていた挨拶を思い出し、街中での人々はなぜ、殺伐としてしまっているのだろう、スマホ片手の“ながら歩き”族に衝突されそうになっても、向こうからひと言の挨拶もなく、こちらが悪いような顔をされてしまうような現象は、なぜ起きるのだろうか、と考えてしまいます。

言うまでもなく、人と人とのコミュニケーションの手段は、最初に言葉(会話)があげられます。挨拶は、その“入り口”にあるものですから、これなくしては先に進まず、挨拶ナシは会話ナシ、となってしまうでしょうし、平成社会に深まる会話の少なさは、挨拶を軽視する傾向から発しているような気がしてなりません。

北鎌倉に出て「鎌倉五山」の第4位「浄智寺」の境内の美しさに浸り、第2位の「円覚寺」、第1位の「建長寺」を見学して鎌倉へ。歩き回って、おなかをすかせて、遅めの昼食? 早めの夕食? の時間帯に飲むビールは最高でしたが、旧友との会話は、もっぱら「挨拶の大切さ」に及びます。

小学生に模範を示されてしまったコミュニケーションの始まりとなる挨拶の大切さでしたが、大人こそが「こんにちは(おはよう)」「ありがとう」などをかみしめなければ・・・と反省しきりとなりました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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