4語同時は安易では?

受話口の向こうで友人が笑いながら言いました。

「まあまあ、そうとんがるなよ。これはシャレ半分なんだから・・・。何がどうなっても“じぇじぇじぇ!”でいいんだよ」

今年話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」(12月2日発表)の年間大賞に一挙4語が選ばれたことに関し、私が「4語同時は安易な選考だろう。オレは、厳選に厳選でやはり、大賞は1語に絞ってほしかったと思うけどなァ」と文句をつけたことに対し、友人は、アハハ、と笑って「多いことはいいことじゃないか。多いことが世相を反映しているんだよ」と軽くかわしました。

NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」とTBSテレビ系の連続ドラマ「半沢直樹」のテレビから飛び出した「じぇじぇじぇ」と“やられたらやりかえす”の「倍返し」、五輪招致のスピーチでフリーキャスターの滝川クリステルが披露した「お・も・て・な・し」、さらに予備校講師・林修先生による「今でしょ!」の4語が今回、ノミネートされた語群の中では群を抜いており、どれが大賞に・・・は結構、注目されていたもの(私の中だけかもしれませんが・・・)です。

1984年(昭59)から始まった「新語・流行語大賞」の年間大賞を振り返ってみると過去、3語同時というのが6回ありますが、今年の4語同時は史上初のにぎやかさとなり、事務局の見解は「いずれも甲乙つけがたかった」とのことでした。

今年で区切りの第30回(通算)を迎えたこのイベントは、自由国民社刊「現代用語の基礎知識」の読者アンケートによって候補語が挙げられ、その中から「トップ・テン」と「年間大賞」が決められます。
(注=第1回の1984年から第7回の1990年までは「新語」と「流行語」の2部門に分かれ、それぞれ金賞など各賞が設けられていた。第8回の1991年から年間大賞が設けられる現在の形になった)

後の時代にも生きる「今でしょ!」

私は、このイベントのファンですが、それは年々、あわただしく、めまぐるしく、変化が急な社会の動きの中、世相をワンポイントで反映させる「鋭い1語」が心を躍らせるから、です。

例えば一昨年の2011年、年間大賞に選ばれた「なでしこジャパン」(サッカー女子日本代表)などは、同年3月11日に発生した東日本大震災で日本中が沈む中、同年7月に達成されたサッカー女子日本代表のW杯ドイツ大会制覇を取り上げたものですが、政治のドタバタを超えてこの年、これほど日本に勇気を与えた出来事はなかった、といっていいでしょう。

ファンである私が、このイベントに求めるものは、選ばれた言葉が、例えば昨年の「ワイルドだろぉ」(スギちゃん)のように、確かに流行(はや)ったフレーズであっても、世相を反映させないものでは意味がないだろう、という考えです。

「2011年のなでしこジャパン」といえば、数年か十数年後、時代がどう変わろうと「ああ、あのとき、日本のピンチに勇気を与えた・・・」と思い出され、一過性が宿命の流行語であっても、後々まで残したいとするのが、年間大賞の使命ではないかと思うのですが・・・。

だから今回、私が選んだ年間大賞は「今でしょ!」でした。

林先生が「普通に授業で使っていた言葉。それを使ってくれた皆さんの感性に感謝したい」とコメントしていましたが、この言葉はホント、私たちの日常的な会話の中でも「今しかないよな」とか「やるなら今だろ」とか、自然に出ていたもので、あらためて人気が出てしまうと使いにくくなってしまう、不思議な魅力を持っています。

何よりも今年、さまざまなところに“今やらなくては”の改善が出てきて、学業だけでなく「今でしょ!」が必要なときともなっており、その意味では、同時受賞の他の3語よりひとつ、抜け出ていたのでは? と思いましたが・・・どうでしょうか。

ちなみに友人の反応は「そこまで考えるなよ! 軽く、軽く、だよ」でしたが・・・。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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