お粗末過ぎるIBFの対応

記者活動を長く続けていると、出来事に対して“驚く”というような感情面が日々、鈍くなっていくことに気づきます。

まあ、それはスポニチ本紙に在職中、入社早々の駆け出し時代から、起きたことに対する“驚き!”より、起きたことに対する“なぜ?”をまず考えろ! と、泣く子も黙る鬼デスクの方々から、ことあるごとに教えられてきた習慣によるものでしょうか。

最近はそれに、年齢を重ねたことによる鈍さも加わっているわけで始末におえませんが、それでも「一喜一憂」とか「喜怒哀楽」などの感情面の起伏は、なるべくなくさず、敏感に感じておきたいものだなァ、などとと思っていますが・・・。

・・・などと自戒している矢先、これはもう、とんでもない、思わず、エエ~ッ! と声を上げてしまうような驚きの出来事が飛び込んできました。

プロボクシングの「亀田祭り」(12月3日=大阪・ボディメーカーコロシアム)で行われたIBF世界スーパーフライ級王者・亀田大毅(24=亀田)vsWBA世界同級王者リボリオ・ソリス(31=ベネズエラ)によるIBF&WBA世界同級王座統一戦の結末です。

2人の対戦は、試合前の計量(12月2日)から、おかしな成り行きとなっていました。

スーパーフライ級のリミット52・16キロに対して、大毅はリミットで一発バスしましたが、ソリスは減量失敗で最終的に1・1キロのオーバーとなり、保持するWBA王座の剥(はく)奪となりました。

ここまでは、過去に幾多の例もあり、別に珍しいことではありません。世界王者たるもの、ウエート調整など出来て当たり前、失敗は恥ずべきことだ! とソリスが非難されるだけのことです。

大毅は王座返上、王座決定戦で答えを出そう!

が、問題は、この事態に対する、IBF(国際ボクシング連盟)と興行を主催する亀田ジム側の対応にありました。まず、この試合をどういう扱いにするのか、そしてIBFは、前日に続き当日の計量も実施しており、それを2人に当てはめるのか、ということに対してです。

ソリスの王座が剥奪された段階(試合前日12月2日)の打ち合わせで、試合の形に関しては予定通り、両団体の王座統一戦とされ、結果に関しては、大毅が①勝利=統一王者②引き分け=IBF王座の防衛、WBA王座は空位③敗北=IBF&WBA王座とも空位-とされました。これはまったく問題のない措置です。

しかし、試合当日の計量に関しては、大毅のみが行い、前王者となったソリスは免除されました。その結果、試合は、大毅が増量制限(4・5キロ)内の56・6キロ、ソリスは59・3キロに増やしており、ここにタイトル戦を行うには「不公平」な面が出てきました

そうしたことを踏まえ、IBFルールには、こうした事態が起きた場合、王者は勝敗に関わらず王座を保持することもあり得る、との項目があり、それを実施するには当然、試合前の段階で両陣営の間で話し合われ、合意が公表されていなければならないことは当たり前のことです。

それが、試合終了後、大毅が判定負けした後にIBFから「(大毅の)王座は移動しない」旨が発表されたのですから、常識では理解できない解釈に大混乱が生じてしまいました。

何ごとも結果が出た後の変更、つじつま合わせはダメです。IBFがそうしたいのなら、試合前の打ち合わせで「この試合はノンタイトル戦」とすればいいだけのことなのです。

ルール未調整の恩恵を受けた? 大毅は、試合後の会見も一夜明け会見も欠席してコメントを避け、この後の方向を模索しているようです。が、自覚の問題として、このまま王座保持で防衛戦を行うことは、ファンの目も厳しくなっており、難しいことでしょう。

体重差など不利な状態で試合を行ったことに対する言い分はあるでしょう。しかし、負けは負けです。ここは王座を返上して空位とし、王座決定戦で堂々と勝利することが、このゴタゴタに対する答えになると思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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