“怪物”が秘める限りない可能性

今季の国内男子プロゴルフツアーは、最終戦の「日本シリーズJTカップ」(12月8日最終日、東京・稲城市=東京よみうりCC)で、宮里優作(33=フリー)が涙の初優勝を飾り、幕を閉じました。

宮里3兄妹の次兄-。数多くのタイトルを獲得したアマ時代からのトータル的な強さで、プロ転向後も優勝はすぐに来るだろう、と言われながら未勝利が続き苦節12年、そのご褒美のようだった最終18番、第2打がグリーンをこぼれ、手前ラフから約10メートルの第3打、劇的なチップインには、思わずこちらも、もらい泣きしてしまいました。

すぐれた素質を持ちながらも、こうした我慢の男がいる一方、松山英樹(21=東北福祉大4年)のように、たちまちトップに躍り出て大活躍する華やかな新人が出現するのも、スポーツ界の現実です。

今季の松山は、ついこの間まであれほど騒がれた石川遼をもあっという間に引き離し、たちまちその影を薄くしてしまうほどの存在感を示しました。

「カシオ・ワールドオープン」(12月1日最終日、高知・安芸郡=Kochi黒潮CC)で優勝(今季4勝目)を飾り、史上初のルーキー賞金王を決めたとき、青木功、中嶋常幸ら、一時代を築いた先輩プロたちは、そろって「米メジャーを制覇する可能性を持った唯一の日本人選手」と絶賛、熱いエールを送ったものでした。

“規格外”の強さは、今季16戦で2億円を突破(獲得賞金2億107万6781円)したことにもうかがえますが、この賞金王を初め、平均ストロークなど各部門の賞をひっくるめて計9冠に輝いたのも異例の出来事でした。

まず体の手入れを最優先させたい

その逸材は、来年1月9日開幕の「ソニー・オープン」(米ハワイ州)からUSPGAツアーに復帰、主戦場は米国へと移行します。

国内男子ツアーは、人気面で低迷を続けており、女子ツアーに比べて年間の試合数も少ない状態にあります。ちなみに先に発表された来季2014年のJLPGAツアー日程は、今季より1試合増の計37試合、賞金総額も33億5000万円と3年連続の増額で好調を維持しており、男子とは対照的です。

その意味で、松山や石川のような選手が、国内ツアーからいなくなるのは、人気面にも影響して残念なこと、大会を支援するスポンサーも複雑でしょう、という声も聞かれますが、しかし、広い視野を持てば、もはや、そういう時代ではないのかもしれません。

松山らが海外で活躍すれば、それは確実に国内にも反映され、刺激剤となることだろうし、それによって将来の松山らを夢見るアマチュア層の底辺の拡大にもつながり、繁栄に至るだろう、という展望です。

ただ、松山を見ていて気になることは、終盤に痛々しかった左手親指付け根の痛みなどの故障です。

アマ時代と違い、プロのツアーは毎週試合があり、故障をしたり、スイングに変調をきたしたりしても、じっくりと治している時間がありません。

そのため各プロたちは、年間を通して戦えるだけの体力づくりをオフの間に徹底して行いますが、松山のように年内の残されたスケジュール消化から、年明けとともに米ツアーの転戦へと向かうと、オフの時間が極端に削られてしまいます。

当面は左手の故障を完治させることが先決でしょうが、活躍の原動力である体の手入れは、しっかりと取り組んでもらいたいものだと思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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