“怪物”が歴史を変える日

ソチ冬季五輪では、スノーボードのハーフパイプ男子で日本の平野歩夢(15=バートン)と平岡卓(18=フッド)が銀&銅メダルをそれぞれ獲得しました。

“神様”ショーン・ホワイト(米)が敗れ、10代の日本人選手“ダブルH”による快挙達成は、日本の、というより、世界のスノボー界の流れを塗り替える歴史的な出来事になったのでは? と思います。

ソチからの「雪上」の快挙を受けて、こちら国内の「リング上」でも、歴史的快挙に挑戦しようとしているプロボクサーがいます。そうです。WBC世界ライトフライ級4位(東洋太平洋同級王者)の井上尚弥(20=大橋)です。

井上はこのほど、WBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス(28=メキシコ)への挑戦が決定、正式発表されました。

アマ時代に高校生初の7冠を勝ち取り、プロに転向して5戦(全勝4KO)を消化。6戦目での世界挑戦となりましたが、戴冠となれば、日本人選手として最速記録達成の世界王座奪取となります。

ちなみにこれまでの記録は-。

①7戦目=井岡一翔(井岡)    WBC世界ミニマム級王座
②8戦目=辰吉上一郎(大阪帝拳) WBC世界バンタム級王座
     名城信男(六島)    WBA世界スーパーフライ級王座
④9戦目=具志堅用高(協栄)   WBA世界ライトフライ級王座
     井岡弘樹(グリーンツダ WBC世界ミニマム級王座

-となっています。

ところで井上が挑むエルナンデスは、どんな王者なのでしょうか。

戦績は32戦29勝(18KO)2敗1分。世界王座(WBC世界ライトフライ級)は2度獲得しており、最初のときは初防衛して陥落、2度目の現在は、今年2月に4度目の防衛に成功したばかりで井上戦は、2カ月という短い試合間隔となります。まあ、そうしたことも今回、5度目の防衛戦への揺るぎない自信の表れなのでしょうが・・・。

プロ6戦目で世界王座に挑戦!

井上の試合を見ていて「オヤ?」と感じたのは、昨年12月6日、東京・両国国技館で開催された東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦でした。同級2位のヘルソン・マンシオ(フィリピン)との激突! です。

この試合、井上は5回TKO勝利を収めますが、展開としては2回に早くもダウンを奪い、4回終了時の公開採点では、3人のジャッジが全員、井上にフルマークの40-35をつける圧勝でした。

私の取材ノートには、井上にやたら「左」の文字が記されています。1回、左ジャブ、左フック、追い詰めてワン・ツー、左アッパーなどと・・・。2回も同様に左の文字が並び、左攻勢でマンシオのボディーなどを痛めつけながら、右を叩きつけてのダウンシーンでした。

それより以前、鳴り物入りのプロデビュー戦から4戦。仕方のないことですが、井上にはガムシャラなところが多く、目立っていました。

注目されており、マスコミ各社の取材も多く、やはり、倒していいところを見せなくては・・・という力み、気負いが、連戦連勝の中にも、見る側に一抹の不安を投げかけていたものです。

それが消えていたのがマンシオ戦でした。だから「オヤ?」となったのですが、それはある意味、大人のボクシングへの転換、あるいは力みがなくなって本来の良さが戻った、ということだったかもしれません。

井上の戦略には、倒すためにはどうするか、という段取りが考えられ、逆算して右のために左を多彩に生かす、という計算が冷静になされていた、という試合内容でした。

まだプロとして浅いキャリアながら、大橋ジム・大橋秀行会長が、6戦目での世界挑戦に踏み切ったのは、こうした井上の“変化”を感じたからではないか、と思います。

頂点への道が簡単ではないことはもちろんのことです。

が、井上の心境としては、巡ってきたこの機を逃すわけにはいかない、今やらずしていつやるか、書くのは恥ずかしいのであえて書きませんが・・・「○○でしょ!」の気概でしょう。その意気込みで歴史を変えてほしいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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