スポーツからもらう勇気と元気

五輪という世界最高峰の舞台で各国代表選手たちが全力で戦う姿を見るにつけ、スポーツが生み出す「力」とか、人々に与える「勇気」などということを考えてしまいます。

かつて知人が体を壊して長期入院を余儀なくされたときのことでした。入院中を振り返り、彼はこう言いました。

〈ホント、あのベッドに寝たきりの中でスポーツ新聞にはお世話になった。どれだけ元気をもらったかわからないよ〉

応援しているプロ野球チームが勝つ。世界を相手に日本人選手が活躍する。彼が言うスポーツ新聞はただ、それを伝えるだけのことですが、そういう話を聞いて、人が生み出すスポーツの力は、世相の変化、好不況の波などを超えて不変であり、常に弱った人々を励ます応援歌なのだ、とつくづく思ったものでした。

目下、熱戦を展開中のソチ冬季五輪ですが、第11日(2月17日)は、カーリングの女子1次リーグ、対中国戦に勝利した日本勢が輝きました。

勝利の瞬間、好ショットを連発したスキップ・小笠原歩が右手を突き上げ、笑顔が弾け、ともに静かな激闘を演じたチームメート3人と抱き合って喜ぶ姿に思わず、ジ~ンときてしまいます。

対中国戦は今冬、昨年12月の世界最終予選で連敗するなど勝利がなく、さらに10年バンクーバー五輪で銅、世界ランク5位と上位(日本は9位)の中国撃破は、やはり格上のスイス撃破に続く金星、持てる力を最大に発揮したうえに“それ以上”を出した大爆発! と受け止めました。

それはチームの4人が、それぞれの力を出し切ったジャンプの男子ラージヒルで銅メダルを獲得した日本勢も同様でした。

負けてもいい。せめて“輝く敗戦”を!

こうした勝利がある反面、もちろん敗戦も数多くあるわけですが、負けの形を分類してみるとだいたい、4通りに分けられるのではないかと思います。

つまり①接戦の末の惜敗②持てる力を発揮したが届かずに敗北③持てる力を発揮できずに敗北④歯が立たずに完敗-の4種類です。

④の代表がアイスホッケーの女子「スマイル・ジャパン」勢でしょうか。

試合を見ていると、体格差をスピードと最後まで衰えないスタミナで補い、果敢に敵陣に突っ込み、見る側の手に汗を握らせますが、あとひと息の決定力不足は、やはり“世界の壁”を感じさせるものでした。

不振が目立つのがスピードスケート陣です。長島圭一郎、加藤条治らメダル候補が届かずに弾みがつかず、女子も惨敗の様相ですが、負けの形には②と③が見られ、むしろ③の要素も強く、ここは立て直しが必要のようです。

冬季種目はもともと③④が多く、負けは負けでも、見守る人たちにどれだけ勇気と元気を与えられるか、せめて“輝く敗戦”を見せてほしいものだ、などと思ったものですが、それが近年は①②の領域に底上げされ、フィギュアスケート男子の羽生結弦のような快挙をも生み出すようになりつつあります。

そして・・・フィギュアスケート女子に出撃する浅田真央(23=中京大)の結果は? に最大の注目が集まります。

韓国の金妍兒(キム・ヨナ=23)、ロシアの新星ユリア・リプニツカヤ(15)らとの熾(し)烈な金メダル争いが繰り広げられるだろう中、浅田に望むことは、持てる力を平常心で最大に発揮すること、だけです。

もっとも・・・それが一番、難しいことなのですが・・・。

その結果が、どう出ようが、それはそれでいいではありませんか、と思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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