復活した笑顔にホッ!

それにしても・・・と考え込んでしまいます。

目の前に3月3日付のスポニチ本紙が広げられています。

〈沙羅 W杯総合連覇〉の見出し。〈「ほっとした」圧倒Vでソチの雪辱〉ともありました。

ソチ冬季五輪後、初のW杯となったノルディックスキー・ジャンプ女子個人第14戦(3月1日=ルーマニア)で高梨沙羅(17=クラレ)が優勝、今季11勝目を挙げ、2シーズン連続の個人総合優勝を決めました。

紙面を飾る高梨の可愛らしい笑顔は、頑張った沙羅ちゃん! といった表現がピッタリの微笑ましさがあり、ああ、これが“あのとき”だったらなァ、と誰もが思ったのではないでしょうか。

振り返れば2月11日、絶対的本命として迎えたソチ冬季五輪の決勝で高梨は、どん底に叩き落されました。

ソチ冬季五輪前、最後のW杯第13戦で優勝(今季10勝目)し、勇躍乗り込んだ自身初の大舞台でしたが、勝利の女神は冷ややかに高梨の1、2本目とも追い風を吹かせるという、厳しい試練の中でのジャンプを余儀なくされてしまったのです。

1本目100メートルを飛んで3位。逆転を狙った2本目は、しかし、100メートルに届かない失敗ジャンプでトータル4位。メダルを逃してしまいました。

胸中の大きなショックを隠してインタビューに答える高梨は、終始、周囲に気を使い、日本の女子ジャンプ界をここまで発展させた先輩たちに向けて「申し訳ない」を繰り返し、また、山田コーチに対しても「メダルを見せられなくてゴメン」と語っていました。

凍りついたその表情は、今回のソチ冬季五輪の中で一番の悲しみの顔であり、フィギュアスケート女子の浅田真央(23=中京大)がショートプログラムで「取り返しのつかないことをしてしまった」以上の“暗さ”に思わず、こちらも今後を心配してしまったものでした。

大舞台に臨む競技者を襲うプレッシャーは、誰にもあるものです。だから選手たちは、いつも通り、練習通り、を言い聞かせ、どんなときにも平常心を身につけるべく日々、厳しい練習を自身に課します。

が、ジャンプという競技でいつもの練習通りを阻止するのは天候です。これは競技者がいくら努力・精進してもコントロールできないものであり、だから、追い風と向かい風のときのジャンプには、有利・不利をなくすためのポイントをつけるシステムが導入されています。

これに対しても高梨は、ひと言もを触れず、ただ「本当に実力があれば関係ない。五輪で初めてプレッシャーの怖さを感じた。自分が未熟だった」を繰り返していました。

失意のどん底から這い上がり、そこで出した答えが、2シーズン連続のW杯個人総合連覇だったのでしょう。

五輪後の空白は、金メダルのフォクト(ドイツ)、銀メダルのイラシュコ(オーストリア)が欠場するなど、高梨にはモチベーションの面で集中が必要だったのではないかと思いますが、偉業を達成できて本当に良かった! と拍手を送りたい気持ちです。

まだ17歳。お預けとなった五輪の金メダルは4年後、あのときの悔しさがあったから、と笑顔で胸を張ってもらいましょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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