“聖地”の異変? 時代は変わった!

WOWOWライブ(3月10日午後9時~)から流れるプロボクシングの映像を観(み)ながら、何やら不思議な感じとなりました。

“聖地”ラスベガス(米ネバダ州)の「MGMグランドガーデン・アリーナ」で行われたWBC世界ライト級王座への挑戦者決定戦(3月8日=日本時間同9日)です。そして・・・そのリング上で戦っているのは、同級2位の荒川仁人(32=八王子中屋)と同級5位のホルヘ・リナレス(28=帝拳、ベネズエラ)という、日本のジムに所属する2人なのです。

WOWOW「エキサイトマッチ」の解説陣を務める国際マッチメーカーのジョー小泉氏も、同様の感じを受けたのでしょう。

〈凄いことですよね。ホント、こんな時代になったのか、とつくづく感じます〉

-と、感慨深げのようでした。

ラスベガスに進出した元WBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃(37=帝拳、引退)の頑張りにより、小さな「点」と「点」だった世界の聖地と日本プロボクシング界が「細い線」で結ばれました。その線を「太く」するか、あるいは「消して」しまうかは、西岡以後の選手たちの“意識の持ち方”にかかってくる、と私は思っていました。

オスカー・デラホーヤ氏(米国)が主宰する「ゴールデンボーイ・プロモーション」のリングに契約を結ぶリナレスが上がることに不思議はありませんが、日本人選手の荒川との、王座への次期挑戦者決定戦がここに組まれ、しかも、その試合が「SHOW TIME」のPPV(ペイ・パー・ビュー)で全米に放映されるとあれば、小泉氏ならずとも〈時代は変わった〉と思わざるを得ません。

輝いた“ジャパニーズ・ロッキー”魂

そうしたセッティングに応えるように試合は、気を抜けないものになりました。

結果(10回戦)は、リナレスの判定勝ちでした。ジャッジの採点も、2人が100-90とリナレスにフルマーク、1人が98-92と、数字の上ではリナレスの圧勝、楽勝となりましたが、実際は荒川の大健闘が光りました。

「エキサイトマッチ」の解説陣の一人、浜田剛史氏(元世界王者=帝拳プロモーション代表)が、ポイントとして「リナレスのスピードvs荒川の根性」と指摘したように、試合は序盤からリナレスが、速さを武器にスピード感あふれるコンビネーションで攻めに入ります。

2回に見せた、荒川の接近に放った左アッパーなどは、観る側も怖いくらいの迫力でしたが、荒川が凄かったのは、こうしたリナレスの攻めにひるまず、下がらず、常に前進をしていたことです。

前半戦を終えた段階でリナレスは、有効打で優位に立ったものの、下がらずしつこい前進を続ける荒川は、手数でリナレスを上回っていました。

そうした展開は最後まで続き、しかし9回、リナレスの連打で荒川が体勢をグラリとさせるなどしたところでリナレスの勝利は動かしがたいものとなりました。

が、この試合に感じたことは、勝敗以上になぜ、荒川がこの舞台に登場したか、ということに確かな理由があったのだ、ということです。

2013年7月、荒川は米テキサス州でオマール・フィゲロア(米国)とのWBC世界ライト級暫定王座決定戦に臨んでいます。

この試合、荒川は0-3の判定負けを喫しましたが、最後まで手数と前進でしつこく粘り、攻撃をあきらめないファイティング・スピリットは“ジャパニーズ・ロッキー”として興行主のデラホーヤ氏、米メディア人をも感動させ、その評価が、今回の“もう一度!”を生んだのだと思います。

WBC世界ライト級王座への次期挑戦権を得たリナレスは、今夏にも3階級制覇を懸けてフィゲロアに挑みます。今度はリナレスが、荒川の分も踏ん張る番でしょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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