“怪物゛が戴冠する条件は?

過日、街中で偶然、旧友と出会い、立ち話でお互いの近況報告などし合っているうちに、ボクシングの話題が旧友のほうから出てきました。

旧友が言います。

「最近、団体が多くなって分かりにくくなったよね」

そうですね。そうした一面も見られ、そういう声も多く聞かれていることは確かです。

が、私にとって日ごろ、ボクシングの話題などこちらから振らなければまず、出てくることのない、一般的にはマイナーの分野に位置づけられているのが普通とあって、うれしくなりました。

旧友が続けます。

「凄いのがいるみたいじゃないか。ホラ、あの高校で活躍した・・・名前、ウ~ン、出てこないけど・・・」

井上尚弥(20=大橋)のことですね。名前など分からなくていいですよ。思ったことは、これも“村田(諒太)効果”なのかもしれないなァ、ボクシング・ファンではないが、アマ7冠王でプロに転向した井上を知っている“一般人”が、ここに一人いる、という「認知度の普及」に関してでした。

その井上の大一番が迫ってきました。4月6日、東京・大田区総合体育館でWBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス(28=メキシコ)に挑みます。

難しい“プロ仕様”への転換

2012年10月のプロデビューから6戦目。アマ時代に高校生初の7冠を勝ち取り、プロに転向して5戦(全勝4KO)を消化。6戦目での世界挑戦で戴冠となれば、7戦目で世界の頂点(WBC世界ミニマム級王座)に立った井岡一翔(井岡)を抜いて、日本人選手として最速記録達成の世界王座奪取となります。

この大会は、大橋ジムの先輩でWBC世界フライ級王者・八重樫東(31=大橋)のV3戦も行われますが、大橋ジム(大橋秀行会長)は、井上の世界挑戦をメーンイベントにセットする決断を下しており、期待を背負う井上にとっては、負けられない一戦となっています。

WBC世界スーパーバンタム級王者として大活躍した西岡利晃(帝拳=引退)は、過去4度、王座の獲得(WBC世界バンタム級王座)に失敗していますが、ジムの先輩であり元世界王者の浜田剛史氏は「やるべきことがやれていなかった結果」としていました。

つまり、アマ時代、すでに卓越した技術を身につけていた西岡は、世界の頂点には“技術だけで立てる”とし、世界戦の正念場、プロとして打ち合うべき勝負所で前進、勝負に出てきた相手を「かわす」「さばく」という技術戦で応じ、結果、そこにつけこまれていた、と浜田氏は語っていました。

アマチュアで活躍した名選手は、得てしてこうした“プロ仕様”への転換が難しいのでしょう。西岡の2008年9月の苦節の末の戴冠は、浜田氏が言う「やるべきことが、やっとやれた」ことによるものだったのです。

アマ7冠王の井上への危惧は、西岡同様、このあたりにあるかもしれません。 

王者のエルナンデスは、32戦(29勝=18KO=2敗1分)のキャリアを持ち、今回の井上戦は、5度目の防衛戦となります。

こうした相手に井上が「かわす」「さばく」を持ち込もうとすれば、必ず“しっぺ返し”を受けると思います。

井上が心がけるべきはやはり、下がらずに前進あるのみ、勝負所でのポイントは“攻撃は最大の防御”にあることを肝に銘ずべき! でしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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