危険な香りが漂う“もうひと花”の相手

長い年月でしたねェ。やっと“そのとき”が来ました。

ファンにしてみれば、さしずめ、出番ですヨ、アニキ! ひとつ、ガツ~ンと頼ンます! といった心境ではないでしょうか。

4月23日に開催されるプロボクシングのダブル世界戦(大阪城ホール)元2階級制覇王者・長谷川穂積(33=真正)の世界3階級制覇への挑戦です。

この試合、長谷川は、IBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルティネス(28=スペイン)に挑み、WBC世界バンタム級、WBC世界フェザー級に続く、3階級目の世界王座を狙います。

が、名王者の長谷川といえど、2011年4月、WBC世界フェザー級王座の初防衛戦でジョニー・ゴンザレス(メキシコ)に敗れて王座陥落後、ここに至るまでに実に3年を要しており、この世界の厳しさをつくづくと感じます。

“リング下”の話題となりますが、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(31=帝拳 )のV6戦とのダブル世界戦となった今回のイベント、長谷川の久々の登場ということもあるのでしょうが、この2人が顔をそろえては、前売りチケットはまさに即日完売状態、大阪の4・23は、異様な熱気に包まれそうだ、ともっぱらのウワサです。

ボクシング人気というものは、やはり、こうでなくてはいけませんね。

興行であれば、付随する娯楽性をまったく排除するわけにもいきませんが、それも、リング上のしっかりした“本線”があってこそのものだろう、ということをファンはよく知っており、そうした“本物志向”が「山中&長谷川だぞ!」と名前だけで多くの客を振り向かせていることは、気持のいいことですね。

「集大成」となる3階級制覇戦

2005年4月にウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)からWBC世界バンタム級王座を奪って以降、同級王座を10度防衛した長谷川ですが、防衛10戦中、2連続、5連続と計7度のKO勝利を収めています。

その内容は、見る側をハラハラ・ドキドキさせる、ひとつ間違えば、危うさが背中合わせの紙一重の攻防であり、それが“KOアーチスト”との賞賛に結びついていました。

とはいえ、ウィラポンから王座を奪う前までの19戦、長谷川の戦績は17勝(5KO)2敗であり、カウンターを狙って相手の出方を待つタイプ、KO勝利が期待できる選手ではありませんでした。

その意味で「戴冠」効果は、長谷川の意識改革を生み、ファンが望むことを確実にやってのけてくれる“スーパースター”の座にまで上り詰めています。

減量苦に泣いたバンタム級後、階級を上げてWBC世界フェザー級王座を奪取、初防衛戦で敗れた長谷川は、今回の3階級目へのチャレンジを「集大成」と位置づけました。

スポニチ本紙の関西発の長谷川報道は「ここまで15年ボクシングをやってきた。一つの区切りとして自分自身で納得できる試合をしたい。自分が本当に強いのかを知りたい」という長谷川のコメントを伝えています。

戦い続けた世界の最前線から降りて3年。長谷川はさまざまなことを思い浮かべながら過ごしてきたことでしょう。「集大成」と位置づけた試合は、もちろん、内容次第では引退もあり得ることを視野に入れたもので、マルティネスとの戦いは、相当シビアなものとなりそうです。

好戦的な強打者のマルティネスは、長谷川のキャリアに敬意を払いながらも「時代は今、キコ・マルティネスだ」と自信をみなぎらせています。

この世界戦が、長谷川に“もうひと花”咲かせることになるのか、あるいはマルティネスに引導を渡されることになるのか、いずれにしても長谷川の試合につきまとうハラハラ・ドキドキ感は、試合が終わるまで拭い去ることは出来なくなりそうです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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