タイガー不在で何が起きるのか

〈画龍点睛を欠く〉総体的にはよくできているが、肝心なところで一カ所だけ不十分な点がある、というときに使われる。

故事にならえば、さしずめ〈画龍点睛を欠く〉といったところでしょうか。しかるべき舞台にしかるべき人がいないと、やはり、寂しいし、物足りなさを覚えるものです。

プロゴルフ界の“絶対的”第一人者、タイガー・ウッズ(38=米国)の不在です。

ウッズはこのほど、6月12日(現地時間)開幕のUSPGAツアーの今季メジャー第2戦「全米オープン」(米ノースカロライナ州)を欠場する、と発表しました。

慢性的な腰痛を治療するため、手術を敢行したのが、今年3月31日のことでした。

これにより、昨年まで19年連続して出場していた「マスターズ」(4月13日終了、米ジョージア州オーガスタ=オーガスタ・ナショナルGC)を欠場したことは、大会関係者を含む周囲にかなりの衝撃を与えました。

事実、バッバ・ワトソン(米国)が2年ぶり2度目の優勝を飾った今年の「マスターズ」は、ウッズ欠場の影響を受けて、観客動員の減や放映するテレビ視聴率の減、などが大会終了後、伝えられたものでした。

「マスターズ」に続き、2戦連続してメジャー大会の欠場となった今回の「全米オープン」に対して、ウッズは自身の公式サイトで「まだ試合に出場してプレーする体になっていない」と理由を述べており、3月9日終了の「キャデラック選手権」を最後に、これで約3カ月の戦線離脱に至っています。

腰痛手術で「全米オープン」も欠場!

ウッズとメジャー競技でもっとも印象深いのは、やはり2005年の「マスターズ」だったでしょうか。

不振という迷路に迷い込んで低迷を続け、そこから4度目の優勝を飾った復活劇でしたが、その戦いの中、ゴルフ・ファンの方々も、恐らく“忘れられない”だろう、鳥肌が立った「奇跡の1打」が生まれています。

そうです。あの16番(170ヤード、パー3)のミラクル・バーディーです。

第1打がグリーンのカラーとラフの境目。ピンまで約15ヤードの第2打は、ピン奥を転がった後、傾斜によって右に向きを変えカップに向かいます。そして・・・カップの縁でストップ。ウッズもパトロン(ギャラリー)も固唾(かたず)を飲んで見守る中、しばらく間をおいてコトンとカップの中に消えました。

こうしたハラハラ・ドキドキの出来事は、まさにウッズならでは、のことです。

今年の「マスターズ」でスポニチ本紙に観戦記を寄稿してくれた中嶋常幸プロは、その中で「スピースやファウラー、マキロイといった若い選手の台頭があって新時代の波が近づいている気がした」と記述しています。

一時はトップに立ってワトソンと競り合った20歳のジョーダン・スピース(米国)は、その象徴的な存在で、勝てばウッズが保持する21歳の最年少優勝記録を更新するところでした。

が、彼について中嶋プロは「いずれはメジャーで勝つ才能を感じたが、オーガスタで勝つにはまだ、少し若かったのかな、という感じがする」と記述し、若き日のウッズに代わる新鋭の台頭とするには、まだ時間がかかることを指摘していました。

そうしたことを含め、ウッズが不在中に世界のプロゴルフ界は、形を変えるのだろうか? ということが気に懸かります。

「マスターズ」に続き、ウッズ不在の「全米オープン」で何が起きるのか。“タイガー時代”は終わるのか? そして・・・もっとも気に懸かることは、ウッズの復帰はいつになるのか? 果たして復帰はあるのか? といったことも、です。

このまま、ずっと「点」が入らない、瞳のない「虎」いや「龍」にはなってほしくないもの、と思いますが・・・。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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