変遷する“素敵なお父さん”像

“理想の父親”に贈られる「ベストファーザー・イエローリボン賞」が、今年は6人に授与され、スポーツ部門からロンドン五輪ボクシング男子のミドル級金メダリストでプロボクサーの村田諒太(28=三迫)が選出されました。

村田は5月22日のプロ第4戦(京都・島津アリーナ京都)でヘスス・ネリオ(メキシコ)を6回KOに下し、世界の頂点を目指して順調に階段を昇っていますが、リングを離れて家に帰れば、3歳の長男・晴道クンと誕生したばかりの長女・佳織チャンの2児のパパです。

この「ベストファーザー・イエローリボン賞」は、日本メンズファッション協会と日本ファーザーズ・デイ委員会が共催で行う、各界の著名人から“素敵なお父さん”を選ぶイベントで1982年(昭57)に発足。記念すべき第1回では、映画監督の伊丹十三、俳優の川津祐介、歌手の菅原洋一ら5氏が選ばれています。

今年で第33回を迎えたこのイベントですが、選出された歴代の「素敵なお父さん」の顔ぶれを見渡すと、基本的には「優しさ」があり、それでいて社会的には「厳しさ」があり、子供たちや部下たちへの叱責にしても「(成長を願う)優しさ」に包まれた「厳しさ」を持つ、といった感じがにじみ出る人たちが選ばれています。

実際、男親の理想像というのは、どういうものなのか、と考えてしまいます。

「地震・雷・火事おやじ!」は、私たちの時代の、ただひたすら怖い父親像でした。

ただひたすら“怖かった”時代から・・・

そういえば・・・思い出します。中学生の頃に父親が愛煙していた“ピー缶”(缶入りのピースですよ。知ってますか?)から2~3本失敬しては、近くの畑で吸い、当時の煙草はまだ、フィルターがなく、両切りのため、唇に紙が張り付いてしまうのですが、そのまま帰宅すると、煙草なんか吸うんじゃないの! と紙を取り除きながら、やさしく? 叱ってくれたのは母親であり、父親に見つかったときには、ゲンコツを振り回され、逃げ回ったものでしたっけ・・・。

そうした怖~い父親の、子供への愛情の表現は、果たしてどんなものがあっただろうか、と考えても、なかなか出てきません。母親のそれは、すぐに次々に出てくるのに・・・です。

振り返って、少なくとも表に出るものにベストファーザー的なものはなかったと思う私の父親でしたが、では私はどうだったかというと、これまたベストファーザー的なものはなかったなァ、と思います。

厳しく頑固だった父親を反面教師として、私はこうはなりたくないと思っても、結局やっていることは同じだったし、それ以上に例えば、プロ野球を担当していた時代などは、年間を通し、家族より担当球団と一緒にいるときのほうが多く、子供が小さいときなど、ホント、家に帰ると“知らないオジさん”が来た! と泣かれたこともありましったっけ・・・。

そういう意味では、私の時代は、よき父親像はなかかな、子供たちに見せられず、東奔西走の父親としてはただ、背中を見ていてくれよ、と逃げるしかありませんでした。

ベストファーザーの選考基準は、明るく楽しい家庭づくりをしていて、子供たちにとって厳格でありながら、よき理解者、よき教育者であり、またお母さんや子供たちにとって素敵なお父さんであること、とかなりハイレベル、難しい基準となっています。

今回選出された村田は、今は遠征を含んで多忙な日々を送っており、なかな家族優先というわけにはいかないでしょうが、村田自身が試合に勝つことで子供たちに夢を与える、という意味では、社会貢献する素敵な父親像、が浮かび上がってきます。(そうであってほしいですね)

家庭を大事にして育児もしつつ、外に出ては世界獲りも目指す! のが、今ふうの“素敵なお父さん”なのでしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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