観客が見せたフェアプレー精神!

サッカーのW杯ブラジル大会は目下、1次リーグの熱戦を展開させていますが、その熱狂の中、日本人サポーターの、いかにも日本人的な律儀なマナーが、各国から称賛されています。

日本代表の初戦となった6月14日(日本時間同15日)のコートジボワール戦で、日本代表は1-2の悔しい逆転負けを喫しながら、スタンドの日本人サポーターは試合後、ポリ袋を持ってゴミを拾うなど、客席の清掃に務める姿が、インターネットなどで報じられたのです。

ウ~ン・・・凄いことですね。勝ち負けを超えたこの姿勢は、文句なしに“たいしたもの!”と言っていいでしょうね。

私は以前、スポニチ本紙に週1回の連載コラムを書いていましたが、スポーツにおける観客のマナーに関し、あの“最悪”とされた「ナイス・ボギー事件」を取り上げたことがありました。

この事件を記憶に残している方々も多いことと思います。1984年(昭59)に広島CC八本松コースで開催されたUSLPGA(全米女子プロゴルフ協会)公認の「マツダジャパンクラシック」(名称は当時)での出来事です。

岡本綾子が首位のジャン・スチーブンソン(オーストラリア)に2打差で迎えた最終日。ギャラリーのすべてが地元出身の岡本を応援する異様な雰囲気となった中、パー・パットを外したスチーブンソンに対し、ついに! というか、最悪の「ナイス・ボギー!」の声が飛んでしまったのです。

このときの岡本は、血相を変え、やり場のない怒りと悲しみに涙を流して抗議しました。

のちに出版した自著「メモリアル・グリーン」の中でも〈私の人生に深い傷跡を残す最大級の事件〉と、この件に触れ、選手とギャラリーの関係について、こう記述しています。

〈最高の舞台を成功させるためには、観客も重要なプレーヤーの一人ではないか〉と-。

勝敗を超えて光るニッポンのマインド

私は、この例を挙げて「身びいきはどこの国にもあるものだろうが、マナーの問題、観客もフェアプレーの精神を忘れてほしくないものだ」と書きました。

この記事が掲載された後、実は読者の方から手紙を頂きました。高齢のご婦人からであり、便箋の表裏にびっしりとしたためられた文面からは、失礼ながら、お年を超えた、スポーツマインドにあふれるものでした。

ご婦人は、私が例に挙げた「ナイス・ボギー事件」をよく知っており、そればかりか1980年の「全米オープン」でジャック・ニクラウスと青木功が、息詰まるマッチレースを展開させた「バルタスロの死闘」も知っていました。

そして、このとき、もちろんジャックの勝利を願う米国人ギャラリーが、両者に分けへだてのない声援を送っていたことを挙げ、戦う側にも見る側にも、心の中にあるフェアプレーの精神こそ、すがすがしさと感動を生むものではないですか、としていました。

さらに・・・彼女の手紙には、こんな記述もありました。

〈小さなことですが、自分のゴミ(ときには他人のゴミも)は、キャンデーの包み紙一つでも、ゴミ袋にキチンと入れて所定の場所に出す。(中略)メジャーの観客の素晴らしさばかりが言われがちですが(中略)日本もアメリカも、その他の国々も、野球ファンは野球同様に素晴らしい、と言われるよう、楽しく明るく熱く、そしてフェアプレー精神でやっていきたいものです〉(原文のまま)

当時の私には、せっかくフェアなスポーツマインドを心に宿す多くの人がいながら、日本人特有の謙虚さ、あるいはそれを出すことへの照れ、などで十分に表現できず、一部の心ない人たちの行為によって、それが打ち消されてしまうことの残念さがありました。

が、ときを経て今、国の威信を懸けたサッカーのW杯という、ともすれば暴動も起きがちな舞台で日本人サポーターが、勝ち負けを超えたフェアプレー精神を世界中に見せています。

中には負けた悔しさで椅子を破壊したっておかしくないのに・・・という人たちもいるかもしれません。この行為が奇妙に映る人もいるかもしれません。お国柄は様々です。

・・・が、これがニッポンのマインドなのです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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