タイソンの“耳噛み事件”が思い出された

サッカーでも・・・いやむしろ、サッカーだからこそ、かもしれませんが、ああいうことが起きるんですね。

激闘を繰り広げるサッカーのW杯ブラジル大会で起きたとんでもない出来事。そう、ウルグアイのFWルイス・スアレス(27)の“噛みつき(疑惑)事件”です。

スアレスは6月24日の1次リーグ、対イタリア戦で相手DFキエッリーニ(29)ともつれ合って倒れた際、キエッリーニは左肩を噛まれたとアピール、スアレスは前歯を押さえて顔をゆがめ、痛がる仕草を見せました。

スアレスが本当に噛んだのかどうかは、分からない状態でしたが、接触の場面を再三、映し出すテレビの画面では、確かに噛みついているように見え、しかも、スアレスは過去2回、同様の行為により処分を受けている前科もあり、今回もやはり、3度目の行為だろうと受け取られることになりました。

FIFA(国際サッカー連盟)が科した罰は、サッカーに関するすべての活動を4カ月禁止、代表公式戦9試合の出場停止、さらに罰金10万スイス・フラン(約1130万円)など、相当に厳しいものとなりました。

この“噛みつき(疑惑)事件”に接してすぐ、思い出されたのがプロボクシング元3団体統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の“耳噛み事件”です。

心理的重圧を吐き出す行為とも・・・

2度目の来日となった1990年2月(東京ドーム)、タイソンはジェームス“バスター”ダグラス(米国)にまさかの敗北(初黒星)を喫してしまいます。同年6月から復権への道を歩き始め、順調に思われましたが1996年11月、その前にイベンダー・ホリフィールド(米国)が立ち塞がりました。この試合、タイソンは11回TKO負けで2敗目を喫してしまいます。

これを受けてリマッチが行われたのが1997年6月でした。

両者は立ち上がりから、持ち味であるスピードを武器にスリリングな攻防を展開させました。が、2回に入り、ホリフィールドのしつこいクリンチにタイソンが苛立ち、さらにクリンチの際のバッティングによりカット、流血戦を余儀なくされてしまいます。

そして3回。再三のクリンチに苛立つタイソンが行った行為は、2度にわたる両耳への“耳噛み”-それも耳たぶを食いちぎるほどの激しさで同回終了後、反則・失格負けが告げられました。これに対するペナルティは、1年間のライセンス停止・・・。

このタイソンの“耳噛み事件”は、世界中の大きな話題となり、論調の多くは、ホリフィールドを善玉、タイソンを悪玉、として「論外の野蛮的行為」とタイソンへの批判が集中したものでした。

その一方、ダグラス戦で初黒星を喫したタイソンが、復権ロードを順調に歩みつつも、ホリフィールドにぶつかって敗れ、絶対に負けられない過度の重圧の中で行われた再戦は、それがピークに達したことによる恐怖回避の行為だったのでは? という“タイソンも人の子”とする擁護論も少数意見としてありました。

スアレスの“噛みつき(疑惑)事件”に対しても、元ドイツ代表GK選手が「大きくなった心理的重圧を吐き出そうとする行動だったのでは?」というコメントを新聞に発表しています。

いずれにしろ、行為そのものは許されないこととしても、大舞台で戦う選手たちの心理状態は、外部からでは到底、推察もできない、複雑なものが絡み合っているようです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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