世界に見る「自己プロデュース能力」の高さ

サッカーのW杯ブラジル大会は、1次リーグでトップに立ったチームがそろって8強に進出、いよいよ世界の頂点をにらんだ激しい戦いが繰り広げられます。

8強進出を懸けた決勝トーナメント1回戦の「ベルギーvs米国」戦は、0-0で迎えた延長戦の末にベルギーが2-1で勝つという死闘を展開させましたが、こうしたハイレベルの激闘を見ていて、ウ~ンと唸(うな)らされることがあります。

例えばこの試合、見る側を“思い切り”唸らせたのは、エースのFWルカクでした。

延長前半の開始早々に投入されたルカクは、さっそく同3分、右サイドをドリブルで突破する個人技の強さでチャンスをつくり上げます(得点はデブルイネ)。さらに同15分、今度は自ら、決勝点となる2点目を叩き込みました。

この2つのシーンを見ていて私が唸らされたのは、ルカクの自覚、とでも言うのでしょうか、W杯を戦うベルギー代表として、この場で自分には何が求められ、それをどうこなせばいいか、どう期待に応えればいいか、というトッププロの「自己プロデュース能力」の高さに対して、でした。

そうして見ると、アルゼンチンのメッシ、ブラジルのネイマールらを初めとする、代表チームのエース級が、ポンポンと得点を決めてやたら目立つのは、彼らがルカク同様の意識、何をやるべきか、を例外なく備えているからでしょう。

日本人には苦手な部分だが・・・

1次リーグ突破を果たせなかった日本代表チームで自己プロデュース能力の高さを感じたのは本田圭佑でしたが、残念ながら今回の本田は“有言不実行”に終わってしまい、日本代表の弱さは、ある意味、そうしたこと(=個の弱さ)に象徴されているかもしれません。

一般論としてプロスポーツ選手は、報酬の高さがパフォーマンスの高さに比例します。

現在、プロボクシングの「ゴールデン・ボーイ・プロモーション」を主宰、プロモーターとして活躍する元世界6階級制覇王者のオスカー・デラホーヤ(米国)が、現役時代の07年5月、フロイド・メイウェザー(米国)と激突して敗れました。

このときのデラホーヤは“引退ロード”に入っていたこともあり、もうこれで終わりかという見方が結構、あったものですが、再びリングに戻ってきたのは、試合のたびに積み重ねられる「巨額報酬」によるものでした。

つまり、勝敗を超えて価値が落ちないデラホーヤのスーパースターとしての資質(商品価値)の高さ、それがどういうところにあるのか、を考えると、やはりそれは「自己プロデュースする能力の高さ」-言い換えれば、見る側を心酔させる力量の凄さ、にあったといえるでしょうか。

基本的にシャイで謙虚な日本人の“草食系”の気質に、こうしたパフォーマンスは合わないところがあるかもしれません。

プロゴルファーの石川遼が、アマチュアからプロに転向直後、勢いに乗っていたころ、彼を含む平成世代の若者に既成のプロにはなかったもの、自己プロデュースの上手さ(高さまでには行きませんでしたが・・・)を感じました。

彼らが将来、十分な報酬をも含んだ新しい日本のプロスポーツ界をつくりあげていくなら、それはそれで面白いことです。

が、残念ながら、今の日本はまだ、ゴール前でパス回しする段階にあり、ここで自分の価値を上げるまでには至っていないように感じますが・・・どうでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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