“折れないハート”への期待!

ボクシング好きの友人から、最近よく聞く話題が“八重樫について”です。

「“ロマゴン”戦だけどねえ。どう思う? 難しいだろうなァ、と思う一方、八重樫だから何かやってくれそうな気もするんだよね~」

“勝てるかなァ”といったところが正直な気持ちでしょうが、この友人の言葉には、八重樫だからこそ、の期待が“半分以上”込められている感じでした。

プロボクシングWBC世界フライ級王者の八重樫東(31=大橋)が9月5日、元WBA世界ミニマム&ライトフライ両級王者の“ロマゴン”ことローマン・ゴンザレス(27=ニカラグア、帝拳)と一戦を交えます。

注目のビッグマッチは、八重樫の勇気ある発言で実現しました。

今年2月、4月に決まったオディロン・サレタ(メキシコ)相手のV3戦発表記者会見の席上、八重樫が突然「この試合(サレタ戦)に勝ったら(ローマン・ゴンザレス)の挑戦を受けようと思っています」と話したのです。

“ロマゴン”は、05年7月のプロ・デビュー後、連戦連勝を続け、2年後の07年5月には帝拳ジ ム(東京・新宿区=本田明彦会長)とマネジメント契約を結び、日本のリングでも無敵の強さを見せつけている“怪物”ボクサーです。

39戦全勝(33KO)の戦績。強すぎて相手がいない“ロマゴン”を自ら指名したのですから、八重樫の“男気”には、皆が驚き、一瞬絶句の後、盛大な拍手となりました。

友人の言葉に込められた「期待が半分以上」の背景には、八重樫という選手のハートの強さがあります。

アゴの骨折も乗り越えた精神的強さ

思い出されるのが12年6月20日に行われたWBC&WBA世界ミニマム級王座統一戦(大阪・ボディメーカーコロシアム)での激闘でしょう。

WBC王者・井岡一翔(井岡)との日本初の団体統一戦むは、井岡が判定で勝利しましたが、両者とも最後の最後まで引かない打撃戦は、見る側に感動を与えたものでした。

・・・が、私が八重樫に“不屈のハート”を感じるのは、07年6月、WBC世界ミニマム級王者・イーグル京和(角海老宝石)=当時=に挑んだ世界初挑戦の試合です。

ここで八重樫は2回、偶然のバッティングでイーグルの頭が顎(あご)に当たり、顎の左右両側を骨折してしまいました。(試合は0-3判定負け)

ボクサーにとって怪我はつきものですが、顎の骨折は、負傷の度合い以上に精神的なダメージが大きい、と言われます。

試合中の骨折は、主に鼻、手(コブシ)、ほお骨、ろっ骨などがありますが、やはり生命線である大事な顎を折られたということは、プライド的なものを含めて尾を引くもののようです。

痛手の八重樫は、しかし、約1年間の戦線離脱の後、08年4月に復帰を遂げています。、

井岡との試合後も、敗れてそのまま沈んでしまうのではなく、13年4月、WBC世界フライ級王者の五十嵐俊幸(帝拳)に挑戦して王座を奪取したのも、いかにも八重樫らしい“不屈のハート”といえたでしょうか。

八重樫は、黒沢尻工高時代の00年にインターハイのモスキート級優勝、その後の拓大時代は、国体で優勝するなど、アマチュアからプロに転向しています。

アマ経験のある選手は、概して技術がすべてと考えがちです。それがプロの壁をなかなか越えられないケースも出てきますが、八重樫は、さまざまな経験から、技術以外のプラスαを会得している選手です。

それが“ロマゴン”戦でどう功を奏するか。技術対技術、ハート対ハート、比べ合いを注目したいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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