高校球児の落雷事故に思うこと

その事故を耳にしたとき、悲痛な出来事とは別に、つくづく感じたことは、日本はもはや、自然災害に対して“想定外”は本当になくなってしまったのだなァ、ということでした。

8月6日午後、愛知県扶桑町にある高校のグラウンドで行われていた野球の練習試合中、マウンドに立っていた高校2年生の投手を雷が直撃、病院に救急搬送されたものの死亡した、という惨事です。

新聞報道によると、午後から行われた練習試合は、降雨のために一時中断、その後、雨が上がり、再開した直後に落雷した、とのことでした。学校関係者の天候状態の把握に関しては、名古屋地方気象台が愛知県全域に雷注意報を出していたが、それを知らなかった、と報じられていました。

私たちの年代が子供のころ、地震・雷・火事・オヤジ、などと“怖いもの”が並べられ、確かにそんな時代、オヤジの怒りは、今と違って相当に激しかったものの、地震・火事はともかく、落雷の怖さは、そうそう身近になかった分、おヘソを取られるよ! などオヤジの怒りと同等程度にしか認識されていなかったように思います。

が、異常気象ゆえ、なのでしょうか。

昨今の雷は、落雷の頻度を増すとともに規模も大きくなり(本当に音が激しくなりました)事故を増やしています。あげくこれまで、あまり縁がなかった竜巻なども、関東地方を急襲するようになっており、もはや、オヤジの怒りに対して? どころでは済まない、対策が必要になってきています。

もはや日本の異常気象に想定外はない!

青い空に広がる、雄大な白いムクムクとした「入道雲」(積乱雲)は、夏の風物詩でもありますが、雷は、発達したこの入道雲によってもたらされます。

天気予報を聞いていると、この夏、気象予報士の口から頻繁に「不安定な大気」という言葉が出てきます。よく知られていることですが、夏場は、地上の空気が温められて上昇、これが上空の寒気によって冷やされ、発達した雲となり、不安定な大気、を生む要因となります。

それによって様々な出来事が起こり得るだろう状態が予測されるなら、夏休みのこの時期、グラウンドや原っぱ、河川敷などの、隠れ場所のない開けた場所でイベントを行う際、細心の注意を払う必要性が、今は以前以上に出てきているということでしょう。

雷に関してかなり、用心深い姿勢を見せていた(もちろん今もですが)のはゴルフ場です。

ここではかつて、プロゴルファーのリー・トレビノが、試合中に落雷事故に遭ったことがあり、以後、トーナメントの主催者は、特に夏場の大会での雷情報の把握を徹底するようになっています。日本ではJLPGAの顧問を務める樋口久子さんも、以前に落雷の怖さを経験しているとのことで、たとえ大事な1メートルのバーディーパットを残していても、雷雲が接近して警報が鳴らされれば、まず逃げる! ことが最優先されています。

一般のアマチュア・ゴルファーも、この時期、大気の不安定が続く、北関東エリアなどのゴルフ場でプレーする際は、それなりの用心をしておくべきでしょう。

最近は、キャップのひさしにマークを取り付ける金具を多く見かけますが、雷の音が聞こえたら、メガネの金属部分などともに外すこと、とにかく早め早めの対処、避難小屋の場所を確認しておくこと、などが、最悪の事態を防ぐことになります。

特に最近は、キャディーさんをつけずに電動カートでのプレーが多く、そうした場合、すべては自分の判断に懸かってくるわけですから・・・。

冒頭に記した落雷事故など、誰もが“まさか!”の想定外の出来事だったことでしょう。

この事故を受けて学校側は「雷の対応マニュアルをつくる」としたそうですが、やはり、起きてからでは遅いし、いまさら東日本大震災の例を持ち出すまでもなく、もはや日本の異常気象に“想定外”などはなくなった、と心得るべきなのでしょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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