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余韻を残す遼クンの優勝

今週は人の集まるところ、そこかしこで「遼クン、凄かったね」という声が本当に多く聞かれました。プロゴルフの国内男子ツアー「フジサンケイ・クラシック」(9月5日最終日=山梨・富士桜CC)で薗田峻輔(20)との死闘を制して今季2勝目を挙げた石川遼(18)の話題です。

激闘の翌6日に発表された、同大会をテレビ中継(フジテレビ)した視聴率は、関東地区で平均12・0%(瞬間最高は17・4%)=ビデオリサーチ調べ=でした。この数字は今季の男女を含むゴルフのテレビ中継にあって国内女子ツアーの「ダイキン・オーキッド・レディース」と並ぶ最高タイ記録となりましたが、最終日の日曜日午後は、それだけテレビの前に陣取ったファンは多く、杉並学院高ゴルフ部の先輩・後輩が争う新世代対決に手に汗を握り、実際に河口湖まで足を運んだ人々ともども、感動の余韻を後日にまで残したということだったのでしょう。

余韻を後日にまで残す、という現象は、出来ごとが次々に起こっては瞬時に去って行く、慌しい今の時代、そうそうあるものではありません。それでなくとも男子プロゴルフ界は、野球、サッカーなどプロスポーツ分野の中でこのところ、人気面で低迷を続けており、景気後退によるスポンサー離れもあって年間試合数が減っている状態です。

07年5月、まだ15歳のアマチュアだった石川が、国内男子ツアーの「マンシングウェアKSBカップ」で並みいるプロたちを押しのけて優勝したとき、周囲はこの高校一年生を“救世主”の出現と期待しましたが、私自身は当時、逸材であることは認めても、低迷する男子ゴルフ界を一気に背負わせることには無理がある、と救世主という言葉、過度の期待には違和感を覚えました。従って08年1月のプロ転向宣言にも「早すぎるのでは?」と素直に受け止められなかったことも事実でした。

追随する新世代の旗手たち

が、それからわずか2年。石川は賞金王(09年シーズン)にもなり、世界のメジャー大会への出陣にも具体的な期待がかかるようになりました。何よりも強く思うことは、石川のどん欲な吸収力や急速な進化についていけなかったのが経験は豊富なはずの既成のプロたちであり、刺激を受けて追随してきたのが池田勇太(24)や薗田ら次世代を担う新鋭たちだったことです。

その意味で今、石川の存在は間違いなく“救世主”だった、と感じます。一方、既成のプロたちに“意地はないのか”と聞きたい気持ちであることも確かです。実際、男子ゴルフ界を低迷させてしまった責任は彼らにあるのだし、石川におんぶに抱っこでホッとしてしまったのでは情けないと言わざるを得ないでしょう。

「フジサンケイ・クラシック」最終日の本戦での最終18番、石川はバーディーを奪って薗田に追いつき、プレーオフ4ホール目で決着をつけました。勝負のカギを握ったその最終18番、左バンカーから残り176ヤードをピタリ、ピン右下1・2メートルにつけたスーパー・ショットは8番アイアンから生み出されました。

176ヤードを8番アイアンで! しかもバンカーから! 石川の今回の優勝が、後日にまで余韻を残したのは、恐らくこのミラクル・ショットがあったからだと思います。プロのプロたる所以(ゆえん)は、見守る一般の人々にとっては夢のようなことを平気でやってのける、というところにあるのです。

他をしのぐ練習量と並外れた集中力・・・そこから生まれる軌跡を“異次元”と思うか、プロなら当たり前、と思うかの差は決定的でしょう。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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