電車内のよくある光景に思う

8月の某日-。夕刻時、西日が差し込む電車の中でこんな光景に出合いました。

残暑が厳しいこの季節、夏場の疲れ、仕事の疲れ、などが重なってグッタリの時間帯です。前に座っていた若い女性が、居眠りを始め、次第に首が傾き、隣の年配の男性の肩にもたれかります。

・・・と、ここまでは、よくあるシーンですが、こういうとき、クッションの代わりにされた人たちは、どう思うでしょうか。

友人が言いました。

〈オレはいいよ。いや、若い女性だからではなく、おバアちゃんでもね。それくらいは許容の範囲だろ〉

別の友人が言いました。

〈そうかねェ。オレはいやだね。電車の中での公共マナー違反は、結構あるけど、これもその一つだと思うね。若い女性であれば、そのあたりはわきまえてほしいナ~〉

感想はそれぞれですが、このときの年配の男性は、車内の暑さもあって嫌がり、肩を揺すったり、座り直すように体の位置を変えたり、しきりに気付かせようと防いでいましたが、効果なし! の事態についに“肘(ひじ)鉄”をお見舞いしてしまったのです。

ア~ア、やっちゃった! という感じです。このシーンは私だけではなく、向かい側の私の列に座っていた数人の乗客が目撃していたと思いますが、私の隣に座っていたご婦人などは、声こそ出さなかったものの、ハッと体を固くするほどの衝撃的な? 光景でもありました。

「わざとやっているわけじゃない」の理屈

で、思いもかけず“肘鉄”をお見舞いされ、ビックリした若い女性の反撃です。

謝罪の言葉はなく、こう抗議? して泣き出してしまったのです。

〈ひどい! わざとやっているわけじゃないのに!〉

まあ、オヤジもオヤジ、大人げないけどね~と、責められても仕方のないところですが、この場合はやはり、若い女性の電車内のマナー違反、不心得に関わってくる問題ではないでしょうか。

概して日本人は、公共マナーに疎いところがあり、例えば満員電車の中で読む新聞の端が、隣に立っている乗客の鼻とか眉のあたりに触れていても(実はこれ、よくあることですが、見た目以上に不快なものなのです)平気だし、また昨今、批判の対象になっている女性の化粧にしても、不快に思う人々は少なくないことでしょう。

居眠りの女性の言葉を借りれば、これらはすべて「わざとやっているわけじゃなく」起きていることなのです。つまり、自分だけが良ければいい、という公共マナー違反ですね。

街中やプラットホームなどでの「歩きスマホ」が社会問題化していますが、私のこれまでの経験では、ぶつかりそうになった若い男女から「スミマセン」や「ごめんなさい」など謝罪の言葉を聞いたことがありません。

むしろ、ニラまれてしまうのは、彼・彼女たちに恐らく、ぶつからないから大丈夫! の気持ちがあり、ぶつかるのは向こうが悪い、と思っているからではないでしょうか。

実際、よけているのは、こちらのほうなのにも関わらず、です。

つまるところ、公共マナー違反は、違反者が「わざとやっているわけではない」と考えるエゴから、すべての不快が始まっているのでしょう。

それがいいというわけではありませんが、他人との接触に神経質な欧米人は、ぶつかればお互いに頭を下げ合うし、その前にぶつかりそうになった段階で回避しようとしたのだ、という大げさなパフォーマンスを見せたりします。

まず、日本人にはできないことでしょうが、考え方としてまず、自分がされたら嫌だろうなァ、と思うことを自戒するだけでも、世にはびこる“小さなイライラ”は防げるのではないでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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