湘南海岸のさまざまな夏

9月の声を聞くと、私の自宅(神奈川県藤沢市)から徒歩で約10分の湘南の海は、夏の名残(なごり)を漂わせながらも、次第に秋の色を深めて行きます。

日課としている私のウオーキング・コースは、江の島に向かって右(西)方向、片瀬西浜海岸、鵠沼海岸、辻堂海岸を経て茅ケ崎で折り返す、往復約10キロほどの道のりですが、急に高さを増した空と静かな海に秋を感じ、何といっても立ち並ぶ「海の家」の店じまいに“夏の終わり”が実感されます。

2014年夏-。

湘南の各海岸は“大揺れ”でした。

といっても、表向きの騒動が勃発したわけではありません。海の家の「クラブ化」による大騒音、海水浴客のマナーの問題に行政がこの夏、積極的に規制に乗り出したことによる波紋の大きさです。

規制に至る発端は、片瀬西浜海水浴場の一部海の家が行っていた「クラブ化」にありました。

音楽が低重音・大音量で鳴り響く店内で水着姿の若い男女がひしめいて踊る光景にまず、近隣住民が苦言を呈し、これを受けて藤沢市が昨年1月、海水浴場組合に対して健全化に向けた自主規制を要請、組合も協力態勢に入ります。

規制がなければ・・・では情けない!

が、この自主規制のしわ寄せが、お隣の鎌倉市や逗子市の海水浴場に向かってしまいます。

その結果、逗子市(平井竜一市長)の海水浴場では昨年7月、暴力団関係者による殺傷事件までが起こり、事態を憂慮した平井市長は、今夏に向けて“日本一の厳しい条例”となった「安全で快適な逗子海水浴場の確保に関する条例」を打ち出し、情勢を見守ることになりました。

一方、鎌倉市(松尾崇市長)は、条例による規制までには至らず、マナーの向上を呼びかける程度にとどめて様子を伺うことなり、こうしたそれぞれの方針がどういう結果を生むか、と各海水浴場が、成り行きを見守ることになった今年の夏でした。

かつて友人と雑談中、テーマが公共マナーの問題に及び、私自身は、例えば神奈川県の松沢成文・前知事が全国に先駆けて施行した、公共性の高い施設での喫煙を規制する「受動喫煙防止条例」などは、人々のマナーの問題を条例で規制するものであり、それはおかしいではないか、また、そうしなければ日本人はマナーを守れない人種となってしまったのか、情けない! と不満を持っていました。

が、友人は、私の考えを、甘い! と一蹴します。とにかく「歩きスマホ」にしろ「自転車の暴走」にしろ、マナー向上の呼びかけだけでは絶対に改善されず、日本人は、規制がなければダメなんだよ、と厳しい見方をしました。

海水浴場の規制の問題にしても、それによって海水浴客が減れば、海の家の経営やその海岸の繁栄にかかわる死活問題となり、環境の健全化を選ぶのか、あるいは多少の風紀の乱れには目をつぶりながら繁栄を選ぶのか、という難題が突きつけられます。

規制のかかった藤沢市、逗子市から、騒ぎたい海水浴客は鎌倉市に向かった、とのことですが、夏場に時折り、出向いた鎌倉市で某日、海岸から離れた駅前で水着姿の若い男女が、缶ビール片手に騒いでいる光景に出くわしました。

規制がなければマナーを守れなくなってしまったのなら、また来夏は、今夏以上に規制が厳しくなるだろうし、それはとどのつまり、騒ぎたい人も含めて、のどかに楽しむべき海水浴の場をなくしてしまうことにもつながるのではないでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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