「ゆとり世代」が目指す既成の打破

9月某日、某一般紙の読者投稿欄で、19歳の大学生が「“ゆとり世代”の肩身の狭さ」を嘆いていました。

大学生クンの紙面での主張を要約すると-。

〈(略)日本の多くの企業などから「ゆとり教育を受けた人間」が軽視、蔑視されている現状に合点がいかない。(略)この世代にも、いいところはたくさんあるはずだ。私たちはいったい、いつまでこのレッテルに悩まされなければならないのか。(略)」〉

-といった憤慨です。

資料によると「ゆとり世代」は、小・中学校では2002年度、高校では2003年度に施行された学習指導要綱(ゆとり教育)を受けた世代、とあります。年齢としては、1987年4月~2004年4月に生まれた人たちが該当するようです。

この年代の幼年期は、ちょうどバブルの崩壊期(1991年)前後にあたり、学校教育もこれまでの何が何でも「詰め込み」の方式から方向転換、土曜日を休日とする週休2日制などの実施で学習時間を減らし、学校以外での経験などを重んじる方向に移行しています。

堅苦しい話になってしまいましたが、この19歳の大学生が、恐らく周囲の大人たちから批判的に言われている「ゆとり世代」には、実はテニスの錦織圭(24=日清食品)もプロゴルフの松山英樹(22=LEXUS)や石川遼(22=CASIO)たちも顔をそろえているのです。

「ゆとり教育」を受けた世代が、社会に出て言われることは、概して「社会性の欠如」といった類のものでしょう。

自由な発想や多彩な対応力で・・・

先輩曰く。〈付き合いが悪い!〉また曰く。〈オレの酒が飲めないのか!〉

当然です。彼らは仕事とプライベートの区別はしっかりとつけており、仕事を終えた後の先輩の酒などには何の意義も感じない世代なのです。

会社の中で上司がもっともイラつくのは「指示待ち」の姿勢でしょうか。指示されたことは、しっかりこなしても、自らが進んでやることはない。その思考の裏に失敗したくない、責任を取りたくない、などの“逃げ”が感じられ、上司にしてみれば、さぞイライラに拍車がかかることでしょう

「ゆとり世代」への批判は、だいたいそういうところから起きていると思いますが、ちょっと待ってください。世界を相手に活躍する錦織や松山たちを見ていて感じることは、既成に縛られない自由な発想や斬新性、あるいは柔軟な対応力、などでしょうか。

島根県松江市出身の錦織は、5歳でテニスを始め、中学卒業時に渡米(テニス留学)しています。現在の強さは、そうした海外生活を軸とするキャリアによって身につけられたものだとは思いますが、他方、考え方によっては、日本の教育が既成のものでなく、ゆとり教育が実施されていてよかったかもしれない、ということも言えます。

松山の強さも、技術のレベルの高さは当たり前として、際立つのはコース攻略の巧さです。つまり、多彩な対応力を持つコース・マネジメントの巧さ-。

こうした発想や着眼は、既成の社会常識に縛られていては、なかなか出来るものではありません。

9月9日朝、全米オープン・テニスの決勝戦を生中継したWOWOWは、マリン・チリッチ(25=クロアチア)の3-0完勝、歓喜の瞬間を報じましたが、歴史にチャレンジした錦織圭、ゆとり世代の若者の敗戦には、まだまだこれから! の可能性をを感じました。

こうでなくてはダメですよ! 19歳の大学生クン!
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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