プロとアマの差を縮めるものは?

まだあどけなさが残るキュートな顔と、プロと堂々と渡り合う勝負師の顔とが、どうにも一致せず、何やら不思議な気持ちになってしまいます。

JLPGAツアーの今季メジャー第3戦「日本女子オープン」(10月5日最終日、滋賀県栗東市=琵琶湖CC)で、日本人アマの大会最高位となる3位に入った永井花奈(17=東京・日出高2年)の健闘です。

台風18号の影響により最終日は雨(時々曇)の集中しにくいコンディションの中、この高校生アマは、4番(パー4)で第2打、残り190ヤードを5Wで直接放り込む、初体験のイーグルを奪ったり、振り返ってみれば4日間、すべてアンダーパーの通算6アンダーで、文句なしのローアマを獲得するなどの大活躍でした。

優勝がテレサ・ルー(台湾)、2位がイ・ナリ(韓国)、4位がアン・ソンジュ(韓国)と上位を外国人勢が占めたこともあり、永井の健闘は光りましたが、他方、この女子ゴルファー№1の座を決める大舞台で、日本人最高位がアマチュアでいいのか? プロはどうした! という指摘は、あって当然でしょう。

今年4月のJLPGAツアー「KKT杯バンテリン・レディース」(熊本県菊池郡=熊本空港CC)でアマチュアの勝みなみ(鹿児島高1年)がツアー史上最年少の15歳293日で優勝したことを初めとして、今年の国内女子ツアーで顕著なのがアマチュア勢の台頭です。

新聞紙上をにぎわす森田遥(17=高松中央高3年)、堀琴音(18=兵庫県ゴルフ連盟)、柏原明日香(18=フリー)・・・ら10代アマチュア勢の名前。“勝効果”もあって今年5月の「サイバーエージェント・レデイース」(千葉県市原市=鶴舞CC)では、トップ10に森田(2位)堀(4位)永井(6位)のアマ3人が名を連ねもしました。

意識改革と道具の進化が・・・

メンタル的要素の強いゴルフでは、やはり経験がものをいい、プロとアマの差は歴然! とされていましたが、そうした常識は昨今、通じなくなっています。

プロボクシングの世界もまた、アマとの差は歴然! と言われていました。それは採点の基準が、ジャブなど軽く当てるだけでポイントとなるアマと、倒すほどのパンチでなければ有効打とならないプロとでは、アマは通用しない、とされていたからです。

先日、元世界王者の浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)と、ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太(28=帝拳)はなぜ、プロでも通用しているのか、という話をしました。

もちろん、強さを裏付ける様々な要素はあるのですが、浜田氏は一般論として、アマがすぐにプロの舞台で試合が出来るようになったのは、採点基準の変化が大きいことを指摘、10-10とせずに必ず10-9の差をつけなければならない現行の採点法では、五分五分の展開なら、下がりながらでもパンチを出しているほうにポイントがつき、それがアマをプロの試合でも戦いやすくしている、と話してくれました。

ゴルフとの比較は無理ですが、JLPGA・小林浩美会長は、宮里藍の存在が後続のジュニア勢に刺激を与え、意識を変えたことを指摘、それを具現したのが勝であり、勝と並ぶ世代がまた、勝に刺激を受ける、という好循環があり、他方、技術面では、道具の改革がプロとアマの差をなくしていると話していました。

それぞれにプロとアマの差が少なくなりつつあることの理由が語られていると思いますが、私が日本女子オープンの永井に感じたことは、テレビ観戦であっても、画面を通して読み取れたことは、プレッシャーがない! ということでした。

永井はもちろん、優勝などすればそれはそれでうれしいことでしょうが、そこに懸かる重圧は、優勝したテレサ・ルーが、台湾勢では、1991年にこの大会を制した大先輩の涂阿玉以来となる快挙に懸けるプロのプレッシャーとは、比較にならないほどの小ささでしょう。

つまり、アマチュアの強さは、プレッシャーのないノビノビ・プレーや思い切りの良さ、にあり、そして、そうした経験が、プロ転向後も生かされ、良い方向に向かうなら、新世代層のゴルフは、より強いものとなるのではないか、と思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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