華やかな表舞台の裏で・・・

ビジュアル系若手プロの台頭などにより、昨今のJLPGAツアー界は、本当に華やかなイメージを醸(かも)し出しています。

が、それはホンのひと握りの選手たちのもので、その裏に、当然のようにある“厳しさ”に触れて、身の引き締まる思いをさせられました。

国内女子プロゴルフツアー「伊藤園レディース」(11月16日最終日、千葉・長南町=グレートアイランド倶楽部)でプロ9年目の初優勝を飾った前田陽子(29=フリー)の“苦節”です。

大城さつき(25=フリー)とのプレーオフ2ホール目。パーの前田に対して大城がパーパットを外し、その瞬間、前田の、こみ上げる涙をこらえ切れずにすすり泣く姿に思わず、こちらも目頭を熱くし、テレビの画面に向かって、本当に良かったね、とつぶやいてしまいました。

1984年(昭59)11月26日生まれの29歳。県立香川西高(ゴルフ部)卒。プロを目指して06年にプロ転向を宣言したものの、プロテストには4度落選。08年、5度目のチャレンジでやっと合格! と、前田のプロ人生は、いきなり“我慢”からスタートしています。

耐え続けた8年間

それを象徴するように、06年のプロ転向から昨年までの8年間は、レギュラーツアーへの出場権も得られず、プロテスト合格後の09年から5年間は、ただひたすら、賞金ランク対象外のステップアップ・ツアーに望みを託し、歯を食いしばってきた、とのことでした。

ちなみにこのステップアップ・ツアーは、JLPGAの試合出場規定によると、優勝者は4試合の出場資格を得られる、とありました。

当然のことですが、プロテストに合格してプロゴルファーになったからといって、選手たちは全員が即、ツアーに出場できるわけではありません。

出場資格は、まず前年の賞金ランク50位までの選手が「シード権」を獲得して得られます。他に主催者推薦での出場など細かい出場資格もありますが、このシード権によるものと、シード権を得られなかった選手たちのために「QT(クォリファイング・トーナメント=ツアー予選会)制度」が設けられており、試合出場はだいたい、この2本柱が中心となります。

とはいえ、このQT制度も簡単に・・・というわけにはいきません。段階として①ファースト②セカンド③サード、そして最終の④ファイナル、があり、各段階の上位者が次に進むことが出来、④ファイナルでの上位、だいたい35位前後までの選手に来年のレギュラーツアーの出場権が与えられます。

前田は、昨年のQTで12位に入り、今季のツアーに初めてフル参戦できる資格を得ています。

“苦節8年”の前田は、ゴルフでは生計が立てられなかった今年1月まで、時給750円で段ボール工場でアルバイトをしていた、と報じられましたが、実際、シード権があるなしは、ツアープロにとって天国と地獄といえるでしょう。

国内プロゴルフの2014年シーズンは、男女とも終盤戦を迎えており、賞金王(女王)をめぐる億単位の獲得賞金の争いが華々しく展開される一方、シード権をめぐるシビアな戦いもまた、残された少ない試合をにらみつつ展開されます。

ツアー界にあって避けることのできない悲喜ですが、前田のように苦労を実らせて悲願をつかみ取り、大輪の花を咲かせた出来ごとに触れると、同様の環境で頑張るプロたちにとっては、大きな励みになることでしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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