“機が熟した”2団体王座統一戦

プロボクシングのマッチメークで最も考慮されるべきは、今、求められているものは何か? という要素でしょうか。

つまり、ファンが今、望んでいるものは何か? 今、観(み)たいカードは何か? の実現。そこに観客が、会場に足を運び、入場料を払って観戦する「興行」としての高い価値が生まれます。

そうしてみると、11月23日に中国・マカオで開催されたWBO世界ウエルター級タイトルマッチで計6度のダウンを奪い、圧勝(3-0判定)で完全復活したマニー・パッキャオ(35=フィリピン)に対し、次は誰か? ということになれば、それはもう、ファンが長い間、実現を期待していたフロイド・メイウェザー(37=米国)しかいないでしょう。

同様に3度目の防衛に成功したWBC世界スーパーフェザー級王者・三浦隆司(30=帝拳)にファンが期待するものは、WBA世界同級王者・内山高志(35=ワタナベ)との2団体王座統一戦実現ということになります。

このビッグカード実現に向けて、帝拳ジムの浜田剛史代表は「本人(三浦)も希望していること。対戦できれば一番いい。(来年)4月か5月が希望です」と前向きの姿勢を見せています。

三浦陣営が、内山戦に向けて“機が熟した”というのは、三浦の「成長」を受け止めてのものでしょう。

11年1月、内山のV3戦に予定されていた暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)が体調不良で来日出来なくなり、代役として急きょ、三浦がチャレンジャーに駆り出されました。

この試合、三浦は健闘を演じ、3回に左ストレートで内山からダウンを奪っています。しかし、その後、ダウンにも動じない内山の冷静な戦いぶり、的確なジャブで右目をふさがれ、8回終了(棄権)TKO負けの悔しい敗戦を味わわされました。

三浦の成長を背景にして・・・

そこから這い上がった三浦が13年4月、ガマリエル・ディアス(メキシコ)を下してWBC世界スーパーフェザー級王座を獲得、内山とのリマッチ構想も浮上しましたが、内山陣営にしてみれば、一度決着をつけた相手、ということで、あまり乗り気にはなれなかったようです。

そうした経緯があり、ここへきて再戦が期待されるようになり、周囲のムードが盛り上がり始めたのは、何よりも三浦の強さが注目されたからでしょう。

11月22日、神奈川・横浜国際プールで行われたV3戦では、同級1位の指名挑戦者エドガル・プエルタ(32=メキシコ)に“ボンバーレフト”を見舞い、6回TKOで快勝しています。

V2戦が昨年の大みそか。この試合は約11カ月ぶりとあって、ブランクを心配する声もありましたが、心配ご無用! とばかりの三浦の“進化”は目を引きました。

ともに好戦的なファイターで当然、果敢な打ち合いが展開されましたが、そんな中、元世界王者・浜田剛史氏は、三浦の成長を指摘していました。

つまり、これまでの三浦は、パンチをもらっても、それ以上のパンチを当てればいい、という“肉を斬らせて骨を断つ”タイプでしたが、11カ月間の練習でディフェンスが上手くなり、攻防の一体化が見られた、というのです。

攻防は本来、別々に分けられるものではありませんが、攻が主、防が従、だった三浦に(相手のパンチを)外して打つ、打たれずに打つ、という技術が身についた、ということです。

組み立て方も、ボディーから顔、下から上への多彩な攻めが目を引き、左を生かすための右の使い方にも工夫が見られ、最後は“ボンバーレフト”のサク裂から連打でとどめを刺しています。

内山と比較した場合、同じ王者でも、一度負けている三浦は、どうしてもチャレンジャー扱いのイメージが持たれてしまいますが、V3戦の変身は、対等に持ち込んだともいえるでしょう。

つまり、二人の対戦は、機が熟した! ということなのです。

内山は大みそか、同級9位のイスラエル・ペレス(アルゼンチン)とV9戦を行いますが、この試合に勝てば、来夏にはファン垂涎(すいぜん)のカードが実現するかもしれません。

楽しみになりましたね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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