“中年の星”たちの意地

なぜか、ホッとした気持ちになっています。

国内男子プロゴルフツアーの2014年シーズン最終戦「日本シリーズJTカップ」(12月7日最終日、東京・稲城市=東京よみうりCC)の結果について、です。

42歳の宮本勝昌(ハートンホテル)が優勝。36歳の小田孔明(フリー)の初の賞金王決定、その座を土壇場まで脅かした45歳の“中年の星”藤田寛之(葛城GC)の、あきらめない心-。

何しろ、日曜日に行われた各種スポーツの結果を伝える12月8日付各紙を見ると・・・。

バドミントンの全日本総合選手権では、女子シングルスで17歳の“スーパー女子高生”山口茜(福井・勝山高2年)が初優勝! の見出しが躍り、また、熱戦を終えた柔道のグランドスラム東京では、初日(12月5日)の男子66キロ級で17歳の阿部一二三(兵庫・神港学園高2年)が大会史上最年少の優勝を飾ったり、同日の女子48キロ級では、19歳の近藤亜美(三井住友海上)が優勝したり、10代パワーの台頭に既存の勢力が押されまくり、たじたじとなる場面の記事ばかりで埋まっていたのですから。

若手選手の台頭は、それはそれで16年リオ、20年東京の五輪に向けて頼もしいばかりです。が、それにしても・・・。

例えば柔道の阿部など、世界選手権3連覇の実力者・海老沼を下しており、私がこのところ、テーマとしている「若手の勢い」と「ベテランの経験」はどちらが強いのか? が、またしても混沌としてしまうのです。

リオ&東京の星としての新勢力も

古い話になりますが、思い出を一つ-。

グレイシー柔術のヒクソン・グレイシー(柔術)が、自らの写真集を発刊するにあたり、プロモーション活動のために来日したのが01年の冬のことでした。

00年5月の「コロシアム2000」(東京ドーム)で船木誠勝(パンクラス=当時)をチョーク式裸締めで失神させ、衝撃的な勝利を日本のファンに見せつけて以来の来日でした。

私はこのとき、ヒクソンを単独インタビューする機会を得ました。

そのときの質問の一つが、42歳になっていたヒクソンに〈若いときと比べて今の自分をどう思いますか?〉でした。

ヒクソンはこう答えました。

〈今のほうがよっぽと強いと思う。若いときは勢いがあった。スタミナもあった。歳を重ねた今、それは失われたが、一方、経験を得ている。経験は勢いをしのぐ。これに勝(まさ)るものはない、と感じているよ〉

例えば、ゴルフの宮里藍や石川遼が、高校生でプロツアーに勝ったり、松山英樹が、青木功や中嶋常幸がかつて、長い時間をかけて得たものを難なくこなしてしまったりするのに接するたびに、私が「若手の勢い」vs「ベテランの経験」の壁にぶつかってしまうのは、このヒクソンの言葉が強く残っているせいかもしれません。

「若手の勢い」を否定するものではなく、その勢いの前に「ベテランの経験」がないがしろにされてしまうことは、少々、納得しかねる、というところで、その答えがなかなか、出ないままでいます。

だから、自分を信じてブレず、地道に積み重ねてきたものを実らせた小田の賞金王獲得には、心から“良かったね”と拍手を送りたい気持ちになります。

また、宮本の優勝にしても、芝を張り替えたグリーンに多くの選手が苦しむ中、宮本がタッチをつかんでいたことは、やはり「ベテランの経験」だったことでしょう。

近づく14年から15年への流れは、この新旧激突の傾向をますます、深めていくと思います。

大切なことは〈切磋琢磨〉〈好循環〉-いったところでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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