5年間の苦労を実らせたい!

たった一つの“ポカ”で背負ってしまった「5年間の苦悩」は、どんなものだったろうか、と考えてしまいます。

12月30日、東京体育館で行われるプロボクシングWBC世界ライト級王座決定戦に臨む、元世界2階級制覇(現・WBC世界ライト級1位)ホルヘ・リナレス(29=帝拳、ベネズエラ)の〈栄光と挫折〉です。

この試合でリナレスは、WBC世界同級2位のハビエル・プリエト(メキシコ)と自身3階級目となる王座を争います。

まさかの敗北・・・あの日、会場の東京・代々木第二体育館に集まった観客は、目の前に起こった出来事をまったく理解できず、静まり返ってしまいました。

09年10月10日、順風満帆の歩みを続けていた“ゴールデン・ボーイ”を襲った悪夢です。

それより以前、リナレスは07年7月にオスカー・ラリオス(メキシコ)を下してWBC世界フェザー級暫定王座を獲得(後に正規王座に昇格)し、初防衛を果たした後、08年11月には、ワイベル・ガルシア(バナマ)とWBA世界スーパーフェザー級王座を争い5回TKO勝ち、2階級制覇を達成しました。

同級王座を初防衛の後、09年10月10日のファンカルロス・サルガド(メキシコ)戦は、リナレスにとっては、久々に日本で行う凱旋試合となりました。

たった一つのポカが生んだ屈辱

その高揚した、悪く言えば浮き足立った気持ちが、ボクシングの神を怒らせ、悪夢を呼び寄せてしまったのでしょう。

観客の誰もが、リナレスの圧倒的な優勢を予想し、スカッとしたKO劇を期待した中で起きたことは、信じ難いリナレスのKO負けだったのです。

開始早々、サルガドの左フックが、出合い頭ふうにリナレスのテンプルを襲います。ダウン。立ち上がった後、連打を見舞われ1回1分13秒、わずか73秒のTKO負けでリナレスは、王座陥落となってしまいました。

試合後の談話-。

〈パンチは見えていた。・・・が、バックステップしたときに出来たガードのスキ間に左フックが変則的に伸びてきた〉

不用意に受けた一発。プロ28戦目の初黒星。ボクシングは怖い! とつくづく思います。

負けたものの再起→王座奪回は、そう遠くないだろう、と思われたリナレスが、11年10月、チャンス到来と思われたアントニオ・デマルコ(メキシコ)とのWBC世界ライト級王座決定戦に敗れ、無冠のままここまで来てしまったのですから・・・。

ベネズエラから02年、17歳で初来日し帝拳ジムに入門、同年12月、日本でプロデビューを果たしました。スピード感あふれる華麗なファイト・スタイルで観客を魅了し、浮き沈みしながらも来日12年が経ちました。

浮き足立って注意を怠ったリナレスに、ボクシングの神は、5年間の謹慎、という厳しい罰を科しましたが、それを真摯に受け止めて耐え抜いたリナレスが、3階級制覇という歓喜に浸る舞台が近づいています。

リナレスには、何としてももう一度、世界の頂点に立って、あの笑顔を見せてもらいたいものだ、と思います。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR