難敵に挑む「怪物クン」の勝算は?

年末(12月30日~31日)に控える、プロボクシングの2日間3興行、計8つの世界戦のうち、注目の一戦はどれだろう? と思うとき、興味はやはり、前WBC世界ライトフライ級王者・井上尚弥(21=大橋)に傾いてしまいます。

井上は今年4月、プロ6戦目でWBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス(メキシコ)に挑み、6回TKO勝利で日本選手最速の世界王座獲得に成功しました。

同王座を初防衛(今年9月=サマートレック・ゴーキャットジム○11回TKO)した後、減量苦を理由に2階級上のスーパーフライ級に転向。今回のWBO世界同級王者オマール・ナルバエス(39=アルゼンチン)へのチャレンジにこぎつけています。

井上がこの試合に勝てば、プロ8戦目で2階級制覇達成という快挙となりますが、王者ナルバエス攻略は、そうそう簡単ではないだろう、というのが多くの見方です。

何しろナルバエスのデータといえば・・・。

プロ12戦目で世界王座(WBO世界フライ級)奪取。同王座を16度防衛の後、スーパーフライ級に転向して10年5月、2階級制覇を達成。以来、今日まで同王座を11度防衛中という、井上が「怪物クン」と呼ばれるなら、ナルバエスは、井上がプロデビューした12年10月には、2階級目のWBO世界スーパーフライ級王座のV4に成功していた「超怪物」なのです。

プロ戦績が43戦(23KO)1敗2分け。この1つの敗戦が11年10月、階級をバンタム級に上げて当時、WBO世界バンタム級王者だったノニト・ドネア(フィリピン)にチャレンジして敗れたものですが、井上がナルバエス攻略を考えるとき、キーワードはこの試合にありそうです。

39歳vs21歳の新旧交代劇

元世界5階級制覇王者で親日家のドネアは、テレビ解説の仕事で来日していた11月中旬、大橋ジム(横浜市西区=大橋秀行会長)に顔を出し、井上に心強いアドバイスをしています。

それを要約すると-。

〈39歳のナルバエスは、試合が自分のペースで進められているときは、ベテランらしい老獪(ろうかい)さも出て強い。が、受けに回ったときにガードが中心となってスキが出る〉

-といったものだったようです。

といっても、ドネア戦では、ドネアの猛攻に言葉通り、いいところが出せなかったにしても、固いガードで倒されずに判定まで持ちこたえたのですから、並みでないことは確かでしょう。

ドネアのアドバイスを生かすなら、井上は若さに任せて攻めまくり、それもボディーを中心とした攻防でこの百戦錬磨の「超怪物」を防戦に回らせることが、勝機を見い出すポイントとなりそうです。

井上の明るい材料は、これまでのライトフライ級(リミット48・97キロ)からスーパーフライ級(同52・16キロ)に階級を上げたことで、減量苦から解放されていることでしょうか。

何しろ、試合ごとに約10キロの減量を余儀なくされることは、苦行以外のなにものでもなく、プロ6戦目での世界奪取の際も、足がつって動かず、V1戦でも「納得できない」(井上)試合内容となっていました。

「3・19キロ」の体重増は、減量苦から解放された分、では重くなった体で持ち味のスピードにどんな影響を与えるか? などの課題が浮上してくる可能性もあります。

が、この試合は、井上本人が「とにかく勝つことだけにこだわる」と言っているように、なりふり構わずに結果を出すことが先決でしょう。

12月30日の東京体育館-。果たして新旧交代劇が起きるのか、目が離せません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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