「KOダイナマイト」の憂鬱

大みそかのV9戦(東京・大田区総合体育館)を控え、今年も2014年プロボクシング界を“今度こそ右”の、豪快なKO劇で締めくくろう! というWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(35=ワタナベ)です。

昨年5月のV7戦(ハイデル・パーラ=ベネズエラ ○5回KO)で右拳を痛め、同年大みそかのV8戦(金子大樹=横浜光、○判定)には完治しないまま臨み、それが今回の試合まで1年間ものブランクを生む原因の一つになっていました。

拳の負傷は、ハード・パンチャーの宿命とも言えるものです。

破壊力のあるパンチで“KOダイナマイト”の異名を持つ内山の場合は、アマ時代の拓大3年時に利き手である右拳甲の最初の手術を行っています。

05年7月のプロ・デビュー以降は、王座奪取後、11年1月のV3戦(三浦隆司=当時・横浜光、○8回終了TKO)の後に2度目の手術を余儀なくされています。

同級8位のイスラエル・ペレス(35=アルゼンチン)のチャレンジを受ける今回のV9戦は、試合間隔が1年間空いたことにより、右拳の完治が伝えられ、久々に絶好調で試合に臨めそうです。

内山の試合に感じることは、その“怖さ”でしょうか。拳を痛めていようがなかろうが、相手にプレッシャーをかけ、グイグイと詰め寄る迫力は、相手選手が気の毒になるほどの怖さがあります。

せめて年間3試合はしてほしいが・・・

それなのに今回、本人から絶好調宣言が飛び出しては、ディフェンスが上手く技術もある、と評されるペレスも、申し訳ないですが、倒されるのを待つしかないのかなァ、という気もしてしまいます。

そうした内山の強さは別にして、気ががりなのは“試合数の少なさ”でしょうか。

戦績をたどってみると-。

王座を奪取した10年がタイトルマッチを含み3試合。11年が2試合。この年は1月31日の初戦から12月31日の第2戦まで11カ月間空いてしまっています。12年、13年がいずれも2試合。そして今年が1試合のみ、といったところです。

もっとも、今年の1試合のみは、夏頃をメドに暫定王者ブライアン・バスケス(コスタリカ)との対戦を視野に入れていたのですが、バスケスが11月マカオに試合を入れてしまったことで実現せず、間隔が空いてしまったといういきさつがありました。

バスケスには、あるいは“逃げた”という感じがなきにしもあらず、ですが、内山の強打が鳴り響くにつれ、こういうことが常に起こることは、避けられないのでしょう。

今回のV9戦勝利を条件に内山には、来夏をメドにWBC世界同級王者・三浦隆司(帝拳)との団体王座統一戦が浮上しています。

実現すれば、それはそれで内山の1試合が確定しますが、またその後のマッチメークに頭を抱える問題が起きてきそうです。

1979年11月10日生まれの35歳-。やれるときにやっておかなければならない年齢です。

試合がない自分を思い、内山は「他のチャンピオンが試合をするのを見てうらやましいと思った」と振り返っています。

せめて年間3試合くらいは・・・ですね。右手拳は折れても治りますが、心は悔いを残さず、折らないようにしてほしいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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