「勝負の綾(あや)」というものは・・・

惜しかった! 残念だった! ・・・とはいえ、最後の最後まで“可能性をつないだ”という意味では、収穫の多い2015年初戦だったのではないでしょうか。

USPGAツアー「現代自動車チャンピオンズ大会」(1月12日=日本時間同13日=最終日、米ハワイ州カパルア=ブランデーション・コース)で、見応えのある優勝争いを展開させた松山英樹(22=LEXUS)です。

首位に1打差で迎えた最終18番(パー5)-。松山は、2メートルのバーディー・パットを外してプレーオフに加われず、悔しい終戦となりました。

最終日、通算17アンダーでジミー・ウォーカー(35=米国)と並び、首位でスタートした松山でしたが、前半アウトを終えて、ウォーカーが通算21アンダー、松山が同19アンダーと2打差をつけられて勝負のイン、バックナインに入りました。

私はこの試合、ゴルフ専門チャンネルの「ゴルフネットワーク」が1月13日午後11時から放送したテレビの画面で観(み)ていましたが、つくづく“面白いものだなァ”と思わされたのが〈勝負の綾(あや)〉でした。

ちなみにこの「綾」は「入り組んだ仕組み」「ものの筋道や区別」(広辞苑)といったものです。

「攻め」と「守り」が描く明暗

ウォーカーが一つ伸ばし、松山に3打差をつけて迎えた305ヤードの短い14番(パー4)で、ウォーカーは安全策(守り)を選択、アイアンでティーショットを放ちます。対して松山は、それまで3日間、アイアンを使っていましたが、ここは勝負を懸けた攻め、ドライバーを握りました。

ウォーカーの第1打は、意に反して右サイドのクロスバンカーへ。松山のそれは、グリーン左手前のラフに落ち、そこからの第2打を、ガードバンカーに入れてしまいます。ともに意に反した展開となりましたが、刻みに行ってバンカーに入れてしまったウォーカーのダメージ(失意)は深く、バンカーショットはグリーンオーバー、そこから1メートルに寄せた大事なパットを外し、ボギーを叩いてしまいました。パーセーブの松山と2打差-。

“面白いものだなァ”と思ったのは、14番で守りに入り、それを失敗したウォーカーは、その後の調子を崩し、チャンスのパットを外し続けます。攻めた松山は、次の15番(パー4)でバーディーを奪って1打差。ウォーカーがもたつく中、2人のマッチレースにパトリック・リード(24=米国)が割って入り、上がり3ホールは、三つ巴の優勝争いとなりました。

14番のウォーカーの「守り」は結果、敗北への道を歩むことを余儀なくされてしまいました。

例えばボクシングの試合-。概してヤマ場が7~8回に訪れるのは、お互いに疲労が蓄積した胸突き八丁のラウンドとなるからで、そこでの明暗は、ともに苦しい中、どちらが前に出られたか、で描かれます。

つまり、そこで攻められたかどうか、に勝利の女神は微笑むのです。

守って押されたウォーカーは、結局、リードとのプレーオフに敗れ、勝利の女神にフンッと背を向けられてしまっています。

3日間の守りを捨てて攻めた松山は、最後に惜しいパットを外して敗れましたが、ウォーカーの敗戦と比べたら、はるかに中身の濃い、前向きの敗戦と言えたでしょう。

次戦は現地時間1月15日開幕の「ソニーオープン」(米ハワイ州ホノルル=ワイアラエCC)となりますが、ツアー2勝目を告げる米国からの朗報は、間近に届けられるような気がしてきました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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