独善的男乃着物考其ノ拾七

長年、パソコンやら、その周辺機器やら、カメラやら、取材と原稿書き、送稿に必要なものを大きめの鞄(かばん)に詰め込んで、重々しく歩き回っていたことで、手ぶらだと何か忘れ物をしているような、物足りない気持ちになってしまいます。

寒い季節は、上着にしてもコートにしても、ポケットが多い服装(洋装)をしているのだから、日常的な用足しなら、バッグなど持たなくてもいい場合がありますが、それでも小物入れを手にしてしまうのは、やはり、習慣的なものからなのでしょうか。

ところで男の和装の場合、これは長年、常に壁にぶつかって頭を悩ませていることなのですが、ピタリとハマるバッグがありません。和服好きの方々は、どう苦慮していることでしょうか?

私はだから、和装のときは基本、手ぶらを理想(粋)としているのですが、昨今は男も、財布のほかにモバイル機器など持ち歩くものが結構多く、否応(いやおう)なしに小物入れが必要になってきています。

着物にポケットはありませんから、手ぶらを通すなら、モノを収めるところは、懐(ふところ)と袂(たもと)、さらにムリムリに角帯の間、の3カ所となります。

が、これは実際にやってみれば分かることですが、袂などは手拭いや煙草の類など軽いものが精一杯です。財布や携帯機器などを入れれば、袖の“なびき具合”に違和感を感じ、それを気にすることで何やら、肩が凝ってしまいます。

・・・ですから、なるべく入れないことが正解だと思いますね。

私は、布製の軽い小物入れに、紙幣も財布に入れず、出来るだけふくらませずに軽量にして、懐に挟むようにして入れ、両手を空けています。

男の和装に合う鞄がない!

そうしたバッグなどの小物類は、和服好きのそれぞれの好み、センスに関わってきますが、一般的な小物入れとしては、信玄袋が多く出回っているようです。

信玄袋は、いまさら説明する必要もありませんが、袋状の入れ物の、口の部分を紐で結んでブラ下げて持つものです。一度は持ってみたいのが「印伝の信玄袋」ですね。

「印伝」は、羊や鹿の皮をなめしたもの(革)に染色を施しており、なかなかのものですが、信玄袋のような袋状の入れ物は、中のものを取り出すときに結んだ紐をほどかなければならない、中に入れたものがバラバラでサッと取り出せない、といった不便があります。

もっとも、几帳面な人は、それぞれを分けてまとめ、袋に入れているようですが・・・。

そして、信玄袋のような袋物を持ち歩く場合、気をつけなければならないのが「持ち方」でしょう。

夏の季節、流行(はや)りの浴衣姿の若いカップルが、信玄袋を持って歩いていましたが、男のほうは、結んだ紐を伸ばしたまま、肩にかついでいました。持ち方など勝手だろ! と言われれば、まあ、その通り、勝手ですが、だらしなさはいけませんね。これは「×」でしょう。

若い男が、暑い夏の一日、慣れない浴衣姿でいると、夕方には上も下も乱れ、電車の中などでデレッと居眠りしている姿などは、とても見られません。開いた脚の間にこれまた、信玄袋が紐を短く結ばないまま、デレッと下がっている図というのも、デレデレのオンパレードで情けないですね。

和服好きの大人の男は、何ごともキリリッと締まりがなくてはいけません。従って信玄袋も、口元を結わえたら、できるだけ紐を短くして口元の近くを持ち、ダラダラさせないことが「粋」というものです。

以前、私の友人は、和と洋のミックスで、和服に革製のショルダーバッグを斜めにかけてやってきましたが、意外に違和感がなく、こういうのも「○」なのだな、と感心したものでした。

まあ、しかし、私は和装の場合、何が何でも「手ぶらで・・・」にこだわり、両袖を夜風になびかせたいものだ、と常に思っていますから、そのあたり、譲る気はありませんが・・・ネ。

(注=「独善的男乃着物考」シリーズは「日常」の項に収めています)
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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