王者乱立の批判もある中で・・・

先月(2月)下旬、プロボクシングのWBA(世界ボクシング協会)が、スーパーフェザー級王者の内山高志(35=ワタナベ)を「スーパー王者」に昇格させる、という出来ごとがありました。

同協会の公式サイトで発表されたものですが、内山は、昨年大みそかの防衛戦(東京・大田区総合体育館)でイスラエル・ペレス(アルゼンチン)を9回終了TKOに下してV9を成し遂げており、その実績が評価された、とのことでした。

WBAの「スーパー王者」という肩書きは、もちろん正規王者より上に位置し、日本人選手としては初めて認定されたことで名誉な出来ごとではありますが、とともにその周辺では、王者乱立の是非、が議論されています。

私の周りでも、ボクシング好きの友人から最近、しばしば聞くことは、世界チャンピオンだらけで何が何だか分からなくなっているよなァ、という嘆きです。

特に昨年末、12月30、31日の2日間に計8試合の世界戦が行われたことで、価値の低下は否めないぞ! という厳しい声は多く聞きました。

ボクシング専門誌の「世界ランキング」欄を見ると、ミニマム級からヘビー級まで全17階級の王者の項目に「暫定」「正規」のほか、特にWBAには「UC」「UD」「SC」があり、はたまた「休養」というものまであります。

「UC」は「ユニファイド(Unified=統一)チャンピオン」。「UD」は「アンディスピューテッド(Undisputed=疑いのない)チャンピオン」。「SC」は「スーパー・チャンピオン」。「休養」は「休養中のチャンピオン」ということですね。

日本人初の「スーパー王者」誕生!

まあ、この「休養チャンピオン」というのもおかしな話です。何らかの理由で休むのなら、その代わりに「暫定チャンピオン」を立てるのが普通。休養後に復帰するなら、その暫定王者と正規王座を争えばいいわけで、べつべつにする理由などなく、ただ混乱を招くだけでしょう。

2001年1月から「スーパー王座制度」を導入したWBAは、この「SC」と「UC」「UD」は別、などというから、各王者は何を持ってそういう肩書きとなるのか分からないし、増える世界戦にあって公認料を稼ぐため、と批判されても仕方のないところがあります。

一つの例(特例的でもありますが)としてWBC世界スーパーバンタム級王座を7度防衛した後、12年10月にノニト・ドネア(フィリピン)と対戦した西岡利晃(帝拳=引退)がいます。

WBC(世界ボクシング評議会)は、西岡の功績を称えて、終身の肩書きである「名誉王者」に昇格させ、ドネアとの試合では、ドネア陣営が保持するWBO&IBF王座を懸けたのに対して、西岡陣営は「WBCダイヤモンド王座」を懸けています。

状況的に「3団体王座統一戦」であれば、ファンにしてみれば、西岡をWBCの正規王者のままで戦わせたほうが“分かりやすさ”という意味では、正解だったかもしれません。

さて・・・この新たな“名誉”を受け入れた内山陣営は、今年は「スーパー王者・内山」で防衛戦を行います。

一方、空位となる「正規王者」には誰かが就くことになります。

当然、WBAの同一階級に複数のチャンピオンが存在することになるわけで、そのあたりが、そういうことにこだわる内山にとっては複雑な気持ちとなることでしょう。

ちなみにWBAの「SC」には、マニー・パッキャオ(フィリピン)との対戦で注目を集めるフロイド・メイウェザー(米国)や村田諒太(帝拳)の標的となるゲンナジー・ゴロフスキン(カザフスタン)ら、世界の強豪が名を連ねています。

その一員となった内山は、単純に考えれば、やはり凄いことは凄いですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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