映画「アパートの鍵貸します」を観て・・・

映画関係者や映画ファンが集まった映画を楽しむ愛好会が、私が住む藤沢市(神奈川県)の隣町である茅ケ崎市(同)=JR東海道線の「藤沢」駅からか下って2駅目=で開催(3月20日)され、出席してきました。

上映された作品は、ビリー・ワイルダー監督の米映画「アパートの鍵貸します(原題=The Apartmwnt)」(1960年公開)です。

私はかねてから、シャーリー・マクレーンのファンということもあり、この映画は既に過去数回、観(み)ているのですが、何回観ても、マクレーンのキュートな魅力と、ジャック・レモンの、いってみれば植木等演じる“日本一の無責任サラリーマン”ふうがダブる役柄に、年月を経ても色褪(あ)せない面白さを感じてしまいます。

1934年生まれのマクレーンは、この映画の公開時、26歳ですが、まさに“ファニー・フェース”ここに極まれり! の魅力で観る側を泣かせ、笑わせます。

彼女の評価は、アカデミー主演女優賞に輝いた「愛と追憶の日々」(1983年)で頂点に達しますが、美人ではない風貌を背景に某評論家が指摘した「走り来る人々」(1958年)の、ちょっと頭の弱い酒場の女が絶品だった、という見方に私も“その通り”と共感しますね。

上映作品の「アパートの鍵貸します」は、保険会社に勤務する平社員C・C“ジャック・レモン”バクスター(バド)と同社のエレベーターガール、フラン“シャーリー・マクレーン”キュービックが繰り広げるラブ・コメディです。

“その他大勢”の中に埋もれてうだつが上がらないバドは、自分のアパートの部屋を4人の上司の不倫密会の場として提供、その代償として出世を目論んでいます。

そうしたある日、バドは人事部長のJ・D“フレッド・マクマレイ”シェルドレイクに呼び出され、ウワサされている不審な行動を詰問され“もはやこれまで”と覚悟しますが、何とシェルドレイク部長も、部屋を貸してもらいたい様子であることを知り、昇進を条件に5人目に加えます。

グイと惹きこまれるマクレーンの魅力

このあたりの世渡り上手は、まさにあの「ウッヒッヒ」で笑いを誘う植木等の無責任男さながら! と思わず、笑ってしまいます。

・・・が、バドがかねてから好意を寄せていたエレベーターガールのフランがシェルドレイク部長の情事の相手と知ってから、状況が一変していきます。

世の中が浮かれるクリスマス・イブの日-。

バドの部屋では、フランとシェルドレイク部長の別れ話がこじれ、フランが睡眠薬自殺を図った部屋へバトが戻り、つきっきりの介抱を通して2人の間に新たな感情が生まれていきます。

そして・・・大みそか-。

懲りずに、カギを貸せ、貸さなければクビだ、と迫るシェルドレイク部長に、バドはその要求をキッパリと拒否! 襟を正します。

それを知ったフランは、バトの愛を確信し、懸命にバドのアパートへと走ります。

走る、走る! 髪をなびかせ、おでこを出して! BGMには、年の終わりを告げる「蛍の光」のメロディが・・・。

このシーンがいいんですよね。日本映画でも結構、こうしたシーンはありますが、シャーリー・マクレーンの可愛らしさがキラキラと光る場面でした。

観終わった感想は、理屈抜きにただただ、いいねェ、といった感じでした。

ニューヨーカーたちの、都会的センスにあふれた、コ洒落(しゃれ)たラブ・ストーリー。

これが製作・公開された1960年(昭35)の日本社会は、岸(信介)内閣の退陣を迫る、あの安保闘争で東大生の樺美智子さんが死亡するという殺伐な出来ごとが起きています。

そうした中でまず、日本ではこの年代にこうした作品は生まれなかったろうなァ、という、もうひとつの感想・・・。

とともにオーストリア生まれのユダヤ人であるビリー・ワイルダー監督の、外国人がアメリカ人を見る目なればこその風刺的描写、ワイルダー監督自身による脚本の秀逸さが光る125分間でした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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