見応えがあった「今世紀最大の決戦」

ファイトマネーが両選手合わせて360億円超の「今世紀最大の決戦」と銘打たれたメガ・ファイトは、フロイド“ザ・マネー”メイウェザーが3-0判定で勝利を勝ち取りました。

5月2日夜(日本時間同3日午後)米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたプロボクシングWBA&WBC世界ウエルター級王者フロイド・メイウェザー(38=米国)vsWBO世界同級王者マニー・パッキャオ(36=フィリピン)の3団体世界ウエルター級王座統一戦です。

前日の5月2日夜、ボクシング好きの友人と会い〈この試合はどうなるだろうねェ〉という話になりました。

こうしたビッグマッチの結末は、概して平凡な内容になりがちです。私も「メイウェザーの勝ち。パッキャオは突っ込んでくるだろうけど、メイウェザーは足でかわし、下がりながら、防御の合間に放つカウンターで逃げ切るんじゃないの」と予想。友人も、そうだろうねェ、KO決着を期待したいけどねェ、と言いつつ、そんなものだろうね、と納得の様子でした。

そして・・・決戦の日-。

私たちの予想は、アレレッ? と覆された形となりました。
(試合の模様はWOWOWの生中継から)

何が違ったか、というと、初回からメイウェザーが足を止め、パッキャオの突進を受け止める態勢に出たのです。

WOWOWのゲスト解説者として現地から中継の西岡利晃氏(帝拳=元WBC世界スーパーバンタム級王者)が「オッ! 足を止めましたね。動くとパッキャオに追い込まれることを知って踏みとどまる作戦に出たようです」と語りました。

なるほど・・・。この日のパッキャオは、それなりの準備を積んで絶好調のようです。立ち上がりから右ジャブを軸に突っ込んで左、ワンツーを放つなど、グイグイと前進、プレッシャーをかけてきます。

世界のトップならではの駆け引きの妙

これをメイウェザーが動いてかわそうとすれば、西岡氏が指摘したようにパッキャオに逆につけ込まれ、第2、第3の波状攻撃を受けてタジタジとなったかもしれません。

都内のWOWOWスタジオで、ジョー小泉氏とのコンビで解説を務めた浜田剛史氏は、足を止めて向き合ったメイウェザーの作戦を「パッキャオは予想しなかったのでは? 突っ込み、第2、第3の踏み込みで増してくるスピードが、これで阻まれてしまった」と分析していました。

浜田氏は、試合当日の朝、5月3日付のスポニチ本紙で展開のポイントをこう指摘しています。

〈メイウェザーの戦い方が試合のカギを握る。加速しながら踏み込んで打ってくるパッキャオの突進を外しながら戦うのか、それとも突進に合わせて左フックを狙うのか、どのタイミングでその左を出すのか。駆け引きも含め、序盤から目が離せない攻防となりそうだ。(略)〉

メイウェザーの左は、重要な要素を含んでおり、パッキャオもそれは十分に承知していたようですが、意に反してメイウェザーは右のカウンターを攻撃の要としたことで「タイミングを取れなかった」(浜田氏)こともパッキャオの誤算となったかもしれません。

5階級制覇王者(メイウェザー)と6階級制覇王者(パツキャオ)のハイレベルな戦いは、そうしたシ烈な駆け引きの中、パッキャオが疲れ知らずのスタミナで最後まで突進の勢いを緩めず、メイウェザーはその攻撃に押し込まれながらも、最後の踏み込みまでは許さず、左ジャブと右カウンターでしのぎます。

攻勢点ではパッキャオ、単発ながら有効打ではメイウェザー、といった展開。最終12ラウンドを終えて、採点は微妙かな? と思われましたが、1人が118―110、2人が116―112、と結構、大差がついていました。

試合後のリング上のインタビューで、メイウェザーは「(パッキャオが)押してくることは分かっていたから、それなりの戦い方をした」と語り、一方のパッキャオは「(メイウェザーは)何もしなかったし、勝ったと思った。が、私も攻め切れていなかった」と悔しそうな顔を見せていました。

そうした結果はともかく、私はこの試合、テレビの画面ながら最初から最後まで、途切れることのない緊張感に包まれて観戦していた、ということです。

試合前日、ボクシング好きの友人に言った〈概して平凡な内容になりがち〉は甘い見方でした。

メイウェザーの、要所ではかわして逃げる“ザ・マネー”スタイルに不満はあったものの、パッキャオのとどまることのない攻めの姿勢で一気に緊迫感が増し、両選手ともに自分の形を崩さずに死力を尽くす展開。やはり、この大一番は「今世紀最大の決戦」にふさわしい試合内容だったと思います。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR