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金曜日の悪夢

ああ~! これは夢か幻なのでしょうか。いったい何が起きたのでしょうか。逆だろ! と思わず目を疑ってしまう光景です。
リング下の記者席から見上げるその先でめった打ちに合っているのは何と長谷川でした。

4月30日に東京・日本武道館で行われたWBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(29=真正)と同スーパーバンタム級王者・西岡利晃(33=帝拳)の防衛戦。ダブル世界戦は1万1000人(主催者発表)の大観衆を集めて大変な盛り上がりを見せました。

セミで登場した西岡が5回、必殺の左で10歳若いバンゴヤン(フィリピン)を“10年早い!”とばかり一蹴。いい雰囲気の中でメーンの長谷川を迎え、会場の興奮はもはや最高潮です。

3階級制覇のWBO(日本では未公認)王者モンティエル(メキシコ)との事実上のバンタム級世界最強戦士決定戦。試合を中継した日本テレビの解説を務めた元世界王者・浜田剛史氏の戦前の展望はこうでした。

「両選手とも幅があり、駆け引き、パワー、技術、スピードなど、すべてにレベルが高い似たタイプのボクサーです。引き出しが多い選手同士の対戦は、常に最高の力を出し続ける必要があります。少しでもスキを見せた方が倒されることになると思います」

緊迫の試合は滑り出し、長谷川が主導権を握ります。
しなやかな動きに好調ぶりがうかがえ、右のリードを軸に徐々に組み立てを始めます。
先に打たせてみようか、打ってこないなら自分から打ってみてそうさせようか、などの頭脳プレーが長谷川の持ち味です。見る側にもそれが見えてきたときKOへの期待が高まります。

4回はそんなときでした。完ペキにペースを握り、この回も終わりが近づき、あるいは長谷川の頭には5回のたたみかけが浮かんでしまったのかもしれません。浜田氏が指摘した一瞬のスキだったでしょうか。そこにモンティエルの左フックが飛んできました。グラリ。2発目も受けて腰をガクッと落とします。ああ~! 態勢を立て直す間もなく嵐の連打に屈してしまいました。

試合後、浜田氏が言います。
「好調だった長谷川は、3回を終えて“いける”の自信を持ったと思います。一方のモンティエルは予想以上の長谷川の強さに長期戦を覚悟したはずです。気持ちの明暗。自信を持つことは悪いことではないのですが、それと紙一重にあるのが油断です」

油断で思い出したのが昨年10月の「ホルヘの悪夢」でした。
WBA世界スーパーフェザー級王者ホルヘ・リナレス(帝拳)は、この防衛戦をクリアすれば、次は米国進出が控えていましたが、サルガド(メキシコ)の出合い頭の一発を受け、まさかの1回KO負けを喫してしまったのです。

ボクシングに“絶対”はなく、一瞬の心理が天国と地獄を分ける、本当に怖いスポーツだということを、長谷川の敗戦で再認識させられました。



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勇気と進化

「青天の霹靂」と「大器晩成」とが同居する不思議な大会でしたね
左で沈んだ長谷川が前者で左で歴史を創った西岡が後者・・・・
共通点はともに絶好調だったこと。
ならば明暗を分けたのは何だったのか?

勇気)))長谷川は常に記録を意識した勇気ある戦いが続いた・・・・・
進化)))西岡は常に進化している自らのベストを見せることを意識した戦いをしている・・・

ほんのちょっとした油断と自らに課したこの意識こそ大きな分岐点だったのかもしれませんね~
西岡の長期政権と長谷川VSモンティエルの再戦を切に望みます!!


No title

何故か、準備万端整え、
tvの前に陣取っているとき、
必ずと言っていいほど、
こんな結末を目の当たりに
させられることに・・・。
しかし、長谷川の身体は、素人目に
しなやかに撓り、相手の動きも的確に捉えていた。
再び、あのフットワーク、的確な攻撃、
見せて頂きたいものです。
リナレスの時は、あっという間すぎて・・・。
リナレスのリングも、心待ちにしています。
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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