「ひまわり」に観たソフィア姐の哀愁

全国展開している「午前十時の映画祭」シリーズは目下、来年3月までの「第3回 新・午前十時の映画祭」を開催中ですが、私が住む湘南エリア(グループA)での上映館は「シネプレックス平塚」(神奈川・平塚市)です。

かつての傑作・名作を選び出して上映してくれるこの催しには、あのころ見逃したものをやってくれている、など随分、お世話になっていますが、映画好きのいつもの友人から「いいのをやってるよ」と連絡が入り5月27日、心地よい好天の中、平塚に出かけました。

上映作品は、マルチェロ・マストロヤンニ&ソフィア・ローレンが共演した、懐かしの「ひまわり」(1970年伊=ビットリオ・デ・シーカ監督)です。

デ・シーカ監督が評した「偉大なるイタリアの母」ローレン。が、こちらにしてみれば、我が青春の1ページを悩ましく彩った「偉大なるイタリアのグラマー」ソフィア姐さん! であります。

1934年9月生まれ。あゝ、この「ひまわり」の中では、36歳のムンムン女盛りでしたか。

・・・で、こんな場面が妙に似合ってしまうのでした。

夫が言います。
「今、何時だい?」

妻がベッド脇に置かれた時計を見て答えました。
「6時よ」

夫「朝の、かい、夜の、かい」

妻は物憂げにベッドを出て窓に近づきカーテンを開けます。
外は雲が低く垂れこめて雨・・・。

妻が言います。
「暗くて朝だか夜だか分からないわ」

圧倒される「偉大なるイタリアの母」

こんなアントニオ“マルチェロ・マストロヤンニ”とジョバンナ“ソフィア・ローレン”の熱々新婚夫婦を戦争が引き裂いてしまうのです。

第二次世界大戦下、徴兵をイヤがって精神疾患を装ったアントニオでしたが、しかし、すぐにバレてしまい、過酷な(もちろん当時の)ソ連戦線に送り込まれ、極寒の雪原で生死の間をさまよってしまうのでした。

やがて終戦-。

次々に帰還する元兵士たちを乗せた列車にアントニオの姿はなく、絶対に生きているに違いない、と信じるジョバンナは単身、ソ連に向かい捜索を始めます。

ちなみに資料によると、東西冷戦下の時代、ソ連ロケは、欧米では初の試みとなり、実現に至るまでには相当の苦労を要した、とのことでした。

歩き回り、困難にぶち当たり、もうくしゃくしゃになってしまったアントニオの写真を握りしめ、それでもジョバンナは、執念の聞き込みを続けます。そして・・・たどりついた一軒の家・・・。

ジョバンナの凝視する視線の先に、庭先に干した洗濯物を取り込む若いロシア人女性のマーシャ“リュドミラ・サベーリエワ”がいます。幼い女の子までも・・・です。雪原で死にかけていたアントニオを、このマーシャが助け、そのまま一緒になってしまったのでした。

この現実に呆然自失、やっとアントニオと再会できても、ジョバンナには言葉もなく、列車に飛び乗ってその場を去るのでした。

その後、今度はアントニオがジョバンナの前に現れ、話し合いを持とうとします。が、ジョバンナにも既に夫と子供がいて、ともに身動きが取れない状態。感情もかみ合わず、2人ができることは、もはや“別離”だけ、ということを痛く知らされてしまいます。

イタリア映画の出会いと別れには欠かせない、あの哀愁の「ミラノ駅」です。いつ見ても、いい光景ですね~。

もう再び会うこともないだろうアントニオを乗せた列車が動き出し、次第に遠くなり、ジョバンナの涙とともにかすんでいくのでした。

観(み)終わって私が言いました。

〈アメリカ映画なら無理やりハッピーエンドに持ち込むんだろうけどね~。イタリア映画はどこか悲しいね。日本的なものを感じるよ〉

友人が言います。

〈これほどのハッピーエンドはないじゃないか。よりを戻しちゃったら大変だよ。後始末はどうするのさ〉

何やら、経験アリ! げな友人の言葉。まったく・・・その通りですね。

そしてソフィア姐さんの、重たげに揺れる胸に、こちらはただただ、胸騒ぎ、でした。
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ラストシーンのカメラワークは、映画史に残るものではないでしょうか


ヨーロッパの映画は、少し苦みがあると想います  (´_ゝ`)

民主主義を守る大切さを描いているのでしょうか。

米国の映画は、その勇気を励ますような描き方が多いように想います。


コメント失礼いたしました  (^-^)


プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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