「学習」「修正」能力の高さに思うこと

特にスポーツ界に限ったことではありませんが、最近「学習能力」とか「修正能力」などの言葉が多く聞かれるようになっています。

この言葉は昨今、台頭著しい“平成世代”の若手選手に向けられるケースが多いようですが、この2つの能力は関連性があり、つまり「修正能力が高い」ということは「学習能力も高い」ということになります。

例えばプロボクシングのWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)は、1982年(昭57)10月生まれの33歳ながら、学習・修正能力の高さにおいては人一倍のものがあります。

勝負を決める“神の左”を、チャレンジャーたちにあれだけ警戒され、研究され尽くされても、なお決めて倒せるのは、左を生かすためには何をどうすればいいか、の学習(例えば右の使い方の研究)や、いざ試合になって膠着(こうちゃく)状態になったとき、何をどうしてこの局面を打開するか、の修正(次に打つ手の引き出しの多さ)が、世界戦全9試合(防衛戦8度)にことごとく生かされていることを感じます。

言い換えれば、世界の一線級と呼ばれる選手たちは、こうした学習・修正能力に長(た)けていることが、一つの条件なのかもしれません。

こういう見方をしたとき、この能力を感じる選手の一人にプロゴルファーの松山英樹(23=LEXUS)がいます。こちらは1992年(平4)2月生まれのバリバリ平成世代です。

世界の一線級選手が備える条件

目下、熱戦を展開中のUSPGAツアー「メモリアル・トーナメント」(米オハイオ州ダブリン=ミュアフィールド・ビレッジGC)で松山は第1日(6月4日=日本時間同5日)、4連続を含む圧巻の8バーディー(ボギーなし)を奪取、64を叩き出し、首位に立ちました。(試合はゴルフ専門チャンネル「ゴルフネットワーク」が中継)

松山は、昨年のこの大会で米ツアー初勝利を飾っており、コースとの相性は良いにしても、初日18ホール中、フェアウエー・キープ、パー・オンに失敗したのは、ともに1ホールだけという超高精度のショットが好発進の原動力となりました。

・・・が、ゴルフは難しいものです。第2日(6月5日=日本時間同6日)を終えて、松山がインタビューにこう答えます。

昨日(第1日)と同じように振っているつもりなのに思うようにいかなかった・・・

第2日は一転、ショットの精度を欠き、10番(イン・スタート)から4ホール連続してフェアウエー・キープ、パー・オンに失敗するなど、1パットのパーを拾いまくる苦しいゴルフを強いられました。

それでも、上がってみれば「71」のスコアです。順位を首位の座から5位タイに落としたものの、1アンダーを加えて通算9アンダーは首位に3打差、ズルズルと後退しなかったところに松山の学習・修正能力の高さを感じ取りました。

第1日のショットの良さが消え、苦境に立たされれば、誰もがなぜ? とイラつき、次第に自分のゴルフを見失ってしまうことでしょう。

そんな第2日、松山の凄さを感じたのは、第1日とはまったく違う“拾いのゴルフ”を強いられながら、多彩なショートゲームの上手さでピンチを乗り切ったことでした。

これは、何をどうしてこの難局を乗り切るか、という「引き出しの多さ」-つまり、修正能力の高さによるものだったでしょう。

昨年の優勝スコアは「70」「67」「69」「69」と4日間ともアンダーパーの通算13アンダーでした。

連覇を狙う今年、第2日の内容に松山自身、納得がいかなくとも「64」「71」と2日間、アンダーパーをキープしているのです。

勝負の行方が懸かる第3日“ムービング・サタデー”に松山がどう調子を取り戻してくれるでしょうか。今度は学習能力の高さに期待です。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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