誰もそうしたくてしているわけじゃない!

“ここ一番”での痛恨のミスに対して「誰もそうしたくてしているわけじゃない!」と自分を責める悔しい胸中・・・そこに追い打ちをかけるような「なぜ?」「どうして?」の問いかけは酷というものでしょう。

USPGAツアー「メモリアル・トーナメント」(米オハイオ州ダブリン=ミュアフィールド・ビレッジGC)最終日(6月7日=日本時間同8日)の松山英樹(23=LEXUS)です。
試合は「NHK BS1」が放送

第3日を終えて通算10アンダー、首位に5打差(5位)と粘った松山が最終日、猛攻を仕掛けました。前半アウトは1ボギー(通算9アンダー)と我慢のゴルフを強いられたものの、後半インに入り猛追を開始します。

11番でバーディーを奪うと13番から3連続バーディーと怒涛の攻め、スコアを一気に通算13アンダーとして、この時点でトップの通算15アンダーに肉薄しました。

そして迎えた16番(201ヤード)パー3です。

ホールアウト後の松山が、テレビのインタビューアに問われ、悔しさをこらえてボソッと言いました。

14アンダー、15アンダーが必要でしたからね。狙いに行った結果のミス。仕方ないです

池越えの16番ホール。ピンはグリーン左手前の池を越えてすぐのポジション。池を越えるまで168ヤード、風向きはフォロー、と読んだ松山の9Iでの第1打は、グリーン手前の池に落ちて水音を立てました。打ち直して3オン。パットを外してダブルボギー。ああ、無情-。ここで松山の優勝は消えました。

勇気ある攻めに悔いは残らない!

さて・・・です。心理が試されるゴルフは、本当に厳しいゲームだなァ、とつくづく思います。表向きは、風の読み違えで押し戻されてのミスとなりましたが、その内面、16番を迎えたときの松山の心理は、どんなものだったでしょうか。

予想されるものは、だいたい次のようなものだったかもしれません。

①3連続バーディーでV戦線に割り込み緊張感に包まれている②攻めなければ始まらない状況にある③優勝した昨年はこのホール池ポチャ(ダブルボギー)だったなァ-などといったところです。

上空を旋回する難しい風同様に、松山の胸中にも難しい風が吹き荒れ、選択に迷いが生じたことでしょう。8Iでのコントロールショットもあるが、緊張の度合いから飛び過ぎもあるから、9Iでのフルショットが正解だろうか?

考え抜いて狙いに行った1打でしたが、その結果はミスとなりました。

しかし・・・松山は凄いな、と思ったのは、気持ちを切らずに最後まで攻めの姿勢を崩さず、最終18番をバーディーで締めたことです。

5位に終わってもトップ10入りは立派な成績なのに松山には、前年優勝者として連覇を期待されてしまうという、高い位置に置かれてしまいます。

かつてアーノルド・パーマーは、こう言い、それが摂津茂和著「不滅のゴルフ名言集」に掲載されています。

〈ゴルフにおける勇気とは、無鉄砲とは違うのだ。勇気あるショットは、その結果が良かろうと悪かろうと、それ自体の報酬があるのだ〉

と-。

同書の解説には「勇気あるショットには、それ自体の報酬~つまり、男らしく勝負を懸けた、という自己満足とともに、精神的にも技術的にも進歩向上に役立つ~というものがある」とありました。

いい言葉です。

優勝は逃しても、最後までV戦線に残り、観る側を熱くしてくれた松山に、ただただ脱帽の4日間でした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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