再戦指示の理由はどこに?

ファンの皆さんは、プロボクシングWBA世界フライ級王者・井岡一翔(26=井岡)の、3階級制覇を達成した試合をどうご覧になったでしょうか。

4月22日、王者のファンカルロス・レベコ(アルゼンチン)に挑み、3人のジャッジの採点が、115-113、116-113、114-114、となる接戦の末に2-0判定勝ちした試合です。

というのも、レベコ陣営がこの判定に不服を唱(とな)えたことを受け、WBAがこのほど、両陣営に再戦を指示する、という出来ごとが起きたからです。

この件に関して両陣営は目下、交渉に当たっているとのことで、期限とされる6月20日頃には、何らかの結論が出されると思われますが、WBAの再戦指示には、ちょっと「?」が残るのではないでしょうか。

この試合の展開をメモした私の取材ノートを読み返してみると、井岡に対しては「左、左!」「慎重な構え」「自分の距離保つ」などの言葉が並び、相手が攻撃に出ても「付き合わず」などと記され、消極的と言うなら確かにそういう見方が出来たもしれませんが、私の受け止め方は、勝つための“大人の対応”と見て取れました。

井岡はこの試合、もう絶対に負けられない、という状況に立たされています。

“大人の対応”で勝っていました

2014年5月にIBF世界フライ級王者アムナト・ルエンロン(タイ)に挑戦して判定負け、3階級制覇を逃しました。

3階級制覇は、叔父にあたる元世界2階級制覇王者の井岡弘樹氏(現・井岡弘樹ジム会長)が4度挑戦して失敗するなど井岡家の悲願になっており、通算6度目の挑戦となるレベコ戦で負けることはもう、井岡家の悲願をあきらめることにもつながります。

いかに勝つか-それが井岡をより慎重にさせたものの、序盤戦は多彩な左でレベコの接近を阻止、ボディーへのパンチも有効で主導権を握っていました。

中盤以降は、レベコが“絶対王者”の意地を見せ、強引に攻め込んできましたが、自分の距離を崩さない井岡の冷静さに思うようにならないイラ立ちを隠せないように見えました。

が、このあたりの攻防は、ジャッジの見方ひとつで採点が変わる微妙なところ、レベコの攻勢点か、井岡の単発有効打か、どちらを取るかといったところだったと思います。

まあ、井岡にはもう少し、ポイントをアピール出来る手数がほしかったとも思われましたが、全体を俯瞰(ふかん)してみれば、ラウンドを通して、試合運びのうまさで「支配していた」のは井岡だったし、相手に巻き込まれないクレバーなボクシングを井岡は最後までしていたのではないか、と思います。

レベコの採点に対する不満は、おそらく“攻めたのは自分”というところにあるのでしょう。しかし・・・WBAがそれに付き合って再戦を指示するのは、いかがなものでしょうか。

再戦をするようなことになれば、井岡には、今度こそ文句のつけようがない「KO勝利」が必要となることはもちろんですが・・・。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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