あゝ・・・兵(つわもの)どもが夢の跡

戦い済んで日が暮れて・・・。

世界の「兵(つわもの)」たちを、さんざん手こずらせた「チェンバーズベイ」は今ごろ、まるで何ごともなかったかのように静寂に包まれているでしょうか。

実際、戦いを終えた戦場(コース)は、例えば「マスターズ」の激闘を終えたオーガスタ・ナショナルGCもそうですが、ついさっきまでの熱気がまるでウソのように消え去り、吹き渡る風もなぜか冷たく感じられて「・・・兵どもが夢の跡」的状態と化すものです。

それにしても・・・凄い戦場でした。男子ゴルフの世界一決定戦「全米オープン」(6月21日=日本時間同22日=最終日)の舞台となった「チェンバーズベイ」(米ワシントン州ユニバーシティプレース)です。

太平洋岸北西部に位置するリンクス・コースのチェンバーズベイは、かつて採掘場だった砂地の土地をコースに変えて2007年に開場したとのことですが、オープンから10年経たない段階でのビッグ・イベント初開催とあって、どういうコースなのかがいまいち、情報不足でした。

が、大会を中継したテレビ(ゴルフ専門チャンネル「ゴルフネットワーク」と「テレビ朝日」)の画面に映し出されたコースを見て驚きました。

大会を主催するUSGA(全米ゴルフ協会)のコース・セッティングは、だいたい狭いフェアウエーと深いラフが当たり前となっていますが、このコースはまず、ここは米国か? 英国ではないのか? といった驚きでした。

選手たちの果敢な挑戦に感動!

「全英オープン」に代表される、手入れのない荒涼としたコースが、そこに映し出され、スコットランドから輸入したという「フェスキュー芝」の存在が、観戦のためのスタンド配置までとことん整備されたスタジアム・コースこそが米国流! を根底から覆しています。

何よりも(ボールが)止まらないグリーンの硬さ、傾斜による信じ難い(ボールの)転がりが、選手たちの心身を消耗し尽くしていたのではないか、と思います。

これに関しては、選手たちの中からも結構、批判が出たようですが・・・。

出場した5人の日本人選手は、4人までが2日間の戦いで力尽き(予選落ち)、松山英樹(23=LEXUS)だけが決勝ラウンドに進みました。

大事なムービング・サタデーとしたかった第3日は、14番(パー4)で第1打をフェアウエーバンカーに入れ、そこからグリーンを狙ったものの、前方のあごに当たり脱出失敗。このホール、痛恨のダブルボギーを叩いてしまいました。通算3オーバー(19位)で首位と7打差の、ムービング・サタデー転じて「Patience(我慢の)Day」-。

そして迎えた最終日です。観る側にしてみれば、最終日に強い松山にどうしても過度の期待をかけてしまいます。1番バーディー、3番から3ホールをボギー、バーディー、ボギー。一進一退のイライラがつのるだろう攻防の中、1打を縮めることの難しさを痛感しつつ、ああ、6番では4パットのダブルボギー・・・。

試合後、中継するテレビ朝日のラウンド・リポーターを務めた青木功プロのインタビューに松山が答えました。

〈もったいないボギーがありました。特に5、6番(ボギー、ダブルボギー)にはストレスがたまりましたね。ショットは良かったと思うが、締めのパットがダメで(スコアを)伸ばせなかった〉

優勝は今季のマスターズ覇者ジョーダン・スピース(21=米国)が通算5アンダーで勝ち取り、通算3オーバーの松山は18位タイに終わりました。

が・・・テレビの画面を通して観る側にさえ、疲労感を与える戦いの場にあって、極度に心身を消耗させる戦士たちの姿に思うことは、勝ち負けへの一喜一憂ではなく、難コースで1打を縮めるために果敢なチャレンジを試みる姿勢への感動でした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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