鉄道でも手荷物検査は必要か?

ガソリン(約7リットル)を入れたポリタンクを持ち込み、東海道新幹線内で焼身自殺を図った男の事件を受け、新幹線でも〈手荷物検査の必要性〉が、にわかにクローズアップされてきました。

航空機を利用する乗客の空港での手荷物検査は、当たり前のこととなっています。その当たり前となっている空港での手荷物検査で以前、こんな出来ごとがありました。

ラスベガス(米ネバダ州)で開催されたイベントの取材を終えた帰路-。

ラスベガスからロサンゼルスに向かう国内線に乗る際、ラスベガスの空港で、テロ対策取り締まり強化中、とのことで緊急的に手荷物検査が行われたのです。

が、この検査がいたって杜撰(ずさん)そのもの。係員が見るからにパートで雇ったおばさんふうで、乗客から預かったパスポートが机に山積みの状態、手荷物のチェックも段取りが悪く、テキパキと捌(さば)けずにいます。

イライラする乗客の不満の声の中、別に番外編? の取材をしたわけではありませんが、これは恐らく、人件費削減のためにシロウトを雇った結果だろう、と係員の“いい加減さ”を我慢しつつ、大幅に遅れ始めた出発時間が気になり始めました。

というのも、ロサンゼルスに到着後、日本に帰る国際線出発の時間にあまり余裕がなかったからです。

案の定というか、嫌な予感は当たり、ロサンゼルスから乗る国際線の搭乗口に駆けつけたとき、ああ、無情! 航空機のドアは閉じられ、乗り遅れとなってしまいました。

損なわれる利便性への対応は?

米国内のローカル線の、遅れて当たり前のいい加減さ、が、乗り遅れたくない国際線に影響を及ぼした出来ごとですが、日本国内で手荷物検査のために大幅に遅れることはまれにしても(許容範囲の遅れは日常茶飯事的ですが・・・)これが新幹線となると、さまざまな問題が浮かび上がってきます。

ざっと思い浮かぶだけでも、だいたい出発時間のどれくらい前に駅に到着すれば間に合うのか、あるいは盆・暮れや大型連休時、席数では計算できない満員状態となる中での対応はできるのか、ギリギリで滑り込みセーフの乗客の手荷物を検査できるのか・・・などがあります。

こうしたことだけでも、日本の鉄道が世界に誇る〈時間の正確さ〉がどんどん崩されていくことは間違いないでしょう。

この問題は〈安全性と利便性〉のどちらを優先させるかで議論が続きそうですが、私が経験した“ラスベガス化”現象が起きるなら、実現性は低いでしょう。

ただし・・・です。例えば2020年東京五輪の期間中、あるいは国内で世界の要人が集まる期間中、などでは、不審者のチェック強化や臨時的な手荷物検査の必要性は、テロ対策を含めて、これからは欠かせなくなるのではないかと思います。

東海道新幹線内での焼身自殺、それによる巻き添えの悲劇など、これまでは考えも及ばなかったことが起きてしまう時代なのですから、何が起きても不思議はない、起きてからでは遅い、の考えで対応を進める必要があるのかもしれません。

新聞報道では、この問題に関して中国などでは、高速鉄道を初め、一般の鉄道、地下鉄でも、駅の構内で手荷物検査を実施している、とありました。

が、一方、検査のための渋滞により、急ぐ乗客がイラつくのは当たり前の現象でしょう。鉄道の利便性は、誰もが求めていることなのですから。

〈安全性と利便性〉のどちらを優先させるのか、の問題は、平行線のまま、しばらく試行錯誤が続きそうですね。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR